「サラリーマンと築地の世界のコントラストが好き」魚河岸三代目・大沢たかおが語る
「日本の台所」と言われる築地市場を舞台に繰り広げられる人情劇『築地魚河岸三代目』。ロングセラーの同名コミックが原作で、エリートの商社サラリーマンが魚河岸の仲卸の世界に飛び込み、そこで生活する荒っぽいが情の厚い人々に触れ、自分を見つめ直していく姿が描かれる。本作で主人公の赤木旬太郎を演じた大沢たかおに話を聞いた。
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映画化の話があった原作について、「これを映画にするのは結構難しいかなと思った」と言う。
「マンガ、特に連載ものというのは、毎回違う魚が出てきたり、ストーリーのテーマが変わったりして、どんどん進むわけですよね。でも映画って決まったテーマがあって、起承転結がなきゃいけない。それをするには人間ドラマがないと言うか…。マンガの場合は何話も重ねて人を表現していくじゃないですか? でも映画は2時間しかない。だから、これをどうやって映画にするのかなと思ったんです」。
しかし出来上がった本作を「すごく映画っぽい映画だなと思った」と評した。
「自分がこれまでに出演した映画ももちろん映画なんだけど、それとは少し違う感じがしたんです。いわゆるコメディではあるんだけど、出演している人たちやその景色、画とかがすごくしっかりしている感じがしたんです。いろんな所に行きましたしね。銚子も行ったし、山にも行ったし。それが大きいのかな。魚にまつわる話なので、当然魚河岸がメインなんだけど、そこには全国から魚が集まってくるわけだから。そういうエネルギーが集まっているんでしょうね。あの狭い場所であっても画面の奥行きとか、厚みが出ているんだと思います」。
もちろん、築地市場内でも撮影は敢行した。活気に満ちた市場の姿が新鮮だ。
「旬太郎が歩いているシーンや市場の人ともめるシーン、水をかけられるシーンとかは築地で撮影しましたよ。やっぱりほかのみなさんは仕事中なので、1、2時間で撮らなきゃいけない。大変とか言ってる余裕もなくて、慌ただしく撮影しました。手間や時間のかかるシーンはスタジオで撮ったんですよ。魚辰(旬太郎が出入りする仲卸)しか映らないところはセットなんですよ。でも見極められないと思います。本物の魚辰の人たちもビックリしたくらい完全コピーしたんですよ。魚も全部本物だし」。
これまでにも多くの映画作品に出演してきた大沢さん。出演作を選ぶ決め手は「キャラクターよりもストーリー」だと言う。
「キャラクターって、実はどうでもいいと思っているんです。それよりも話が面白くないとイヤなんですよ。子供の頃から映画をよく観てて、話が面白くないと、それこそ話にならない(笑)みたいなところがあったんです。それはいまも変わらなくて、面白いか面白くないかが重要。その台本とか世界観などに共鳴できるかできないか、自分の心にある何かと一体化できるかできないかが一番大事なんです」。
そんな大沢さんが思う本作の魅力とは…?
「サラリーマンとは全く違う築地の人間味、サラリーマンの世界と築地の世界のコントラストが前半にあるんです。そこがすごく好きなんですよ。魚河岸という場所の独特さもあるけど、豪快に笑ったり怒鳴ったり、それがすごく人間らしいと思って。いまの社会って恋愛でも何でもあまり周囲と関わろうとしないでしょ? でもぶつかり合って初めてお互いを認め合う人たちが東京のど真ん中で生き生きと生活している。生命力にあふれて笑顔で生きている人たちの姿が観客のみなさんに伝われば嬉しいですね」。
『築地魚河岸三代目』公式サイト
http://www.uogashi3.jp/movie/