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メイド・イン・ジャパンのレザーで挑むサムライ、片山勇 その“男臭さ”の根源とは?

インタビュー場所として案内されたのは、彼のブランド「BACKLASH」の店舗。だが何の看板も案内もないその建物を外から見て、これがデヴィッド・ベッカムやリアム・ギャラガー(Oasis)が顧客として名を連ねるレザーブランドの店舗がある建物だと気づく者はいないだろう。店の中に彼はいた。片山勇、43歳。メイド・イン・ジャパンのレザーを武器に世界に挑むサムライ。彼の生活に文字通り密着したドキュメンタリー『イサム・カタヤマ=アルチザナル・ライフ』が公開を迎えた。監督を務めたのは、東京スカパラダイスオーケストラ(=スカパラ)のツアーを追った『SMILE〜人が人を愛する旅〜』の牧野耕一。片山さん、牧野監督に映画について語ってもらった。

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『イサム・カタヤマ=アルチザナル・ライフ』 牧野耕一監督(左)、片山勇(右)
『イサム・カタヤマ=アルチザナル・ライフ』 牧野耕一監督(左)、片山勇(右)
  • 『イサム・カタヤマ=アルチザナル・ライフ』 牧野耕一監督(左)、片山勇(右)
  • 『イサム・カタヤマ=アルチザナル・ライフ』 片山勇
  • 『イサム・カタヤマ=アルチザナル・ライフ』 牧野耕一監督
  • 日本のレザーを武器に世界に挑むサムライ、片山勇
  • 長年にわたる信頼が生み出したドキュメンタリー
  • “男って何じゃ?”を考えるきっかけになってほしい
インタビュー場所として案内されたのは、彼のブランド「BACKLASH」の店舗。だが何の看板も案内もないその建物を外から見て、これがデヴィッド・ベッカムやリアム・ギャラガー(Oasis)が顧客として名を連ねるレザーブランドの店舗がある建物だと気づく者はいないだろう。店の中に彼はいた。片山勇、43歳。メイド・イン・ジャパンのレザーを武器に世界に挑むサムライ。彼の生活に文字通り密着したドキュメンタリー『イサム・カタヤマ=アルチザナル・ライフ』が公開を迎えた。監督を務めたのは、東京スカパラダイスオーケストラ(=スカパラ)のツアーを追った『SMILE〜人が人を愛する旅〜』の牧野耕一。片山さん、牧野監督に映画について語ってもらった。

2人の出会いは10年前にさかのぼる。片山さんの存在は、強烈な印象を監督に残した。
「(本作にも出演している)スカパラの谷中敦さんに紹介されたんです。6月のかなり暑い日なのに、片山さんは上下黒の革ジャン、革パンで相当目立ってました。最初は『どこのロックスターじゃ!?』って感じでビビりました(笑)。そこで、会った初日にいきなり身の上話をされたんです。普通の大人って、身の上話を避けたりするじゃないですか。でも、片山さんはその日にライフストーリーを全て語ってくれました。信用されてるんだなとも感じたし、自分の中にある“本物・ニセモノセンサー”の本物ランプが光ってましたね」。

監督が今回の映画製作を思い立ったのはその出会いから7〜8年を経たのち。「出会ってそれだけ経っても色あせないオーラを持っていた」と片山さんを評す。一方の片山さん自身は、メディアに対する不信感があったと語り、監督からの話に「すごく戸惑いました」と明かす。
「メディアは表面的なことしか伝えずにイメージを植え付けてしまう。僕についても『レザーやってる=バイカー。怖い』とか。そういう不信感はありました。でも、僕自身は好きでこういう格好をしてるし、多くの人に革を着たり、自分が魂を込めて作った製品を知ってもらいたいと思ってる。ドキュメンタリーという形なら、一面だけを切り取るのではなく、全てを撮ってもらえると思った。こんな格好でも普段は笑顔の自分とかね。それから監督の映画を観て、映像がすごくきれいだった。自分のよく知ってる人物がそれを撮っているということに素直に『すごいなぁ』という気持ちがわいてきたし、自分がこのきれいな映像の中に入ったら…ということは頭をよぎりましたね」。

映画では、片山さんが中学生の頃に亡くなったお父さんの当時の年齢(42歳)を越えた、ということが重要なテーマの一つとして描かれている。監督は、この点についてこう語る。
「亡くなったお父さんが、年齢的にはだんだんお兄さんのようになって、やがて自分より年下になる。一人の人間に対する距離が変わっていくという部分が自然にこの映画のストーリーになっていきました。同時に、彼がなぜあんなに、血が繋がっているわけでもない自分のスタッフや知り合いのミュージシャンたちの世話を焼くのか、家族のように付き合うのかということが分かった気がしました」。

片山さんも、映画に参加する上で、当初から父の存在は頭にあったという。
「すごく意識はしてました。純粋に父親の年齢を越えたということで自分の中に変化も感じますし、それを映画で迎えるということで感じる変化もありました。まさにこのときにちょうど映画を撮影していたということが、偶然なのか? それとも必然なのかは分からないですが…」。

そして、完成した作品について、2人からはこんなメッセージが。
「とにかく映像がきれいです。そういう部分がきっかけでもいいので、そこから『この人、男臭いな』だけでもいいので(笑)、何かを感じていただければ嬉しいです」(片山さん)。

「婚活の参考にしてもらいたいですね(笑)。世間では草食系と言われるような男子が多いようですが、僕らはダイレクトな昭和の男たちです! この映画は男しか出てこない、(女性にとって)究極のエロムービー。『男って何じゃ?』というのを考えるきっかけになってくれれば嬉しいです」(牧野監督)。

現代を生きるサムライの姿を目に焼き付けてほしい。

牧野耕一
監督・構成・撮影・編集
1973年岐阜生まれ。2004年長編映画『CATCH THE RAINBOW〜東京スカパラダイスオーケストラ ロードムーヴィー』で監督デビュー。以後、『SMILE〜人が人を愛する旅〜』『カーネーション/ROCK LOVE』などで監督・構成・撮影・編集の全てを一人で担当。強烈な色彩が話題を呼ぶ。「隣にいる、好きな人」を撮り続けるのが信条。

片山勇
BACKLASHオーナー兼デザイナー
1965年広島生まれ。革とバイクが好きだった父の死をきっかけにレザーファッションデザイナーを志す。父親と過ごした少年時代の記憶が彼の創作の原点。手染めや複雑な加工を施したレザーウエアは芸術的でさえあり、世界中のミュージシャンやデザイナーから支持されている。2004年春夏コレクションからパリコレクションに参加。以後、パリやミラノでメイド・イン・ジャパンの革を発信し続けている。
《シネマカフェ編集部》

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