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戸田恵梨香×遠距離恋愛「I LOVE YOU」インタビュー キーワードは“自然体”

写真撮影で日陰のベンチを前に「自由に座ってください」と声を掛けると突如、昼寝を始めるかのようにグニャリと脱力しベンチに横たわる。すかさず周囲のスタッフから「自由にしすぎ!」とツッコミが飛び笑いが起こる。

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戸田恵梨香/UULAドラマ「I LOVE YOU」/Photo:Naoki Kurozu
戸田恵梨香/UULAドラマ「I LOVE YOU」/Photo:Naoki Kurozu
  • 戸田恵梨香/UULAドラマ「I LOVE YOU」/Photo:Naoki Kurozu
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写真撮影で日陰のベンチを前に「自由に座ってください」と声を掛けると突如、昼寝を始めるかのようにグニャリと脱力しベンチに横たわる。すかさず周囲のスタッフから「自由にしすぎ!」とツッコミが飛び笑いが起こる。

――自然体。

この作品における彼女を語る上で、いや、何よりいま、戸田恵梨香という女優を説明する上でのキーワードである。まもなくソフトバンクのスマートフォン向け総合エンタメアプリ「UULA」にて、ドラマ「I LOVE YOU」の配信が開始となる。そのうちの一篇で伊坂幸太郎原作「透明ポーラーベア」にて恋人の転勤、すなわち“遠距離恋愛”を前に不安に心揺れるヒロインを、どこかユーモラスな魅力と共に演じた戸田さん。この作品に参加しての思いを赤裸々に(!)語ってくれた。

戸田さんが演じたのは、まもなく福岡に転勤となる恋人の優樹と動物園を訪れる千穂。優樹には「ポーラーベア(ホッキョクグマ)に会いに行く」と告げてカナダに向かい、行方不明になった姉がいたが、その姉が最後に付き合っていた恋人と偶然、再会したことから物語は動き出していく。

まず、戸田さんが本作への出演を決めた理由として挙げたのが、監督・廣木隆一の存在。女優の魅力を引き出すことに定評があり、多くの女優が出演を熱望する一方で、妥協のない厳しい演出でも知られる監督だが、戸田さんは「これだけ幅の広い作品を撮る監督はどういう人で、どんな精神状態で撮影してるんだろう?」という“人間的”興味から「やります!」と即答した。

「お会いしてみるとすごくシャイな方で、この人が『軽蔑』なんていう映画を撮ったのか!? って思うくらいギャップが凄かったです(笑)。一緒に食事に行くと、すごく優しいんですがチョコチョコとブラックジョークが飛び出してくるんです。こういう毒と柔らかさを持っているからこそ対極の作品が撮れるんだなと理解しました。特に『透明ポーラーベア』は今回の3作の中でも最も抽象的な作品。それを廣木さんがどんな作品に仕上げるのか? とさらに興味が沸いてきました」。

多くの俳優が語っていることだが、廣木監督は決して“答え”を提示しない。戸田さんはその手法を「考えさせる演出」と楽しそうにふり返る。監督が示すごくわずかなサインからヒロインの人物像を探り当て、そこから歯車が動き出していった。

「私に演出で厳しかったという印象は全くないんです。最初に一つだけ、廣木さんに尋ねたのは、『作品も千穂も抽象的で不思議な感じがしますが、お芝居も抽象的な感じでいいんですか?』ということ。廣木さんは例によって『うーん、まあそんな感じで普通にやってくれれば…』とかゴニョゴニョと仰ってハッキリしない(笑)。私自身は“分かりづらい女”をイメージして撮影に入ったんですが、やってみたら『ちょっと作り過ぎかな』と言われて、そこでピンと来たんです。廣木さんが求めているのは『お芝居をしないこと』なんだって。そこからはあえて何も作らず、濱田さんとの空気感だけを意識して現場に存在していました」。

実際、画面の中の千穂は化粧っ気もなく、歩き方からもしゃべり方からも力みや気負いが全く感じられない。役ではなく、戸田恵梨香という女優がオフの時間を楽しむかのようにバスに乗り、動物園を楽しむ姿がそこにある。

この“自然体”の演技が戸田さんにもたらしたものに関しては後述するが、まずは千穂の心情、恋愛部分について。戸田さんは「千穂の不安や揺れ動く心に共感した」と語る。

「一緒にいるときは気づいてなかったけど、いざ遠距離恋愛という現実を前にして『私たちは本当に繋がってるのか? 離れても繋がってられるのか?』と自信が持てなくなるというのは分かる気がします。物語の中で『愛とは…?』という問いかけが出てきて、最後には2人は自分たちなりの答えにたどり着くわけですけど、私はもしその答えを見つけ出したとしても、やっぱりそれは形があるものではないから、受け入れつつも心が揺れ動くと思います」。

相手がどんなに「愛してる」、「大丈夫、繋がっている」と口にしても「信用できないですね(笑)。いや相手が、じゃなくて自分に対しても…“絶対”はないから。相手の愛を感じながらもどこかに不安がつきまとう思う」とストレートに乙女心全開で胸の内を吐露! そうなるとこれは、もはや遠距離恋愛かどうかという問題ですら…。

「ないですね。確かに(笑)。どんな状況でも相手に対する不安はあるんでしょうね。だって血の繋がった家族ですら、無意識に裏切ったり裏切られたりする場合もあるわけですから。ましてや恋人という一番不安定な関係で、確かなものを築いていくのってすごく難しいと思います。もし私が千穂と同じシチュエーションになったら? 付いて行っちゃいますね(即答)!」。

劇中の2人について話していたはずが、いつの間にかかなり深~いところまで進んできてしまった…。体裁を気にするでもなくズバズバと語るさまに、なぜかインタビュアーの方があたふたと動揺する始末…。改めて戸田さんが恋愛、恋人との関係の中で求めるものは?

「お互いに素直でいられたらというのはありますが、それだけじゃなくて受け入れ合い、支え合える関係性ですかね。自分の優先順位の中で、私自身の存在は二番目でよくて、彼の存在が一番でありたい。でも彼の中では私を一番に見てほしい。そうやって互いを一番大切に思って支え合えたらいいですね」。

この8月の誕生日で25歳――20代の折り返し地点を迎える。女優としての現在の自分の立ち位置について、「試行錯誤を繰り返している最中です」と語る。

「私はドラマを中心にやってきた女優。映画に出させていただくときもドラマの映画化作品が多かったし、ある意味で“分かりやすい”芝居を求められてきたんですよね。そこから自分がもう一歩先に進むには何が必要なのか? と疑問を持ち始めたときに、出会った作品が『SPEC』だったんですが、そこでお芝居に対する“自由”を手に入れることができたと思います」。

「でも、そしたら今度は個性的なキャラクターを求められることが増えてしまって…我ながら偏った女優だなと思います(笑)。そういう意味でも今回、自然体を求められて、作り込むことなく演じられたというのは大きな経験だったと感じてます。いまは、いろんな監督とご一緒させていただくことで自分の手によってでなく、監督に身を委ねてもっと自分を変化させていければと思いつつ…揺れ動いてます(笑)」。

SPECIAL UULAオリジナルドラマ「I LOVE YOU」http://www.cinemacafe.net/special/5260/recent/
《photo / text:Naoki Kurozu》

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