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【インタビュー】青春映画の名手・熊澤尚人…山崎賢人&清水くるみの魅力とは?

ラブストーリーと一口に言っても様々なものがあるが、特に「10代の恋愛って映画的だし、すごくサプライズがある」と熱っぽい口調で語るのは、これまで『君に届け』や『虹の女神Rainbow Song』などを…

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熊澤尚人(監督)/『ジンクス!!!』
熊澤尚人(監督)/『ジンクス!!!』
  • 熊澤尚人(監督)/『ジンクス!!!』
  • 『ジンクス!!!』 -(C)2013 ROBOT COMMUNICATIONS INC.
  • 熊澤尚人(監督)/『ジンクス!!!』
  • 『ジンクス!!!』 -(C)2013 ROBOT COMMUNICATIONS INC.
  • 熊澤尚人(監督)/『ジンクス!!!』
  • 『ジンクス!!!』 -(C)2013 ROBOT COMMUNICATIONS INC.
  • 熊澤尚人(監督)/『ジンクス!!!』
  • 『ジンクス!!!』 -(C)2013 ROBOT COMMUNICATIONS INC.
ラブストーリーと一口に言っても様々なものがあるが、特に「10代の恋愛って映画的だし、すごくサプライズがある」と熱っぽい口調で語るのは、これまで『君に届け』『虹の女神Rainbow Song』などを手がけてきた青春映画の名手・熊澤尚人。

彼が清水くるみ、山崎賢人、ヒョミン(T-ARA)ら若手キャストらと共に作り上げた最新作『ジンクス!!!』は、日本と韓国の恋愛文化のギャップをユーモラスに描きながら、名作映画たちにリスペクトを捧げた青春ラブストーリー。甘酸っぱい恋に揺れる10代のキャラクターをどんな風に作っていったのか、たっぷりと語ってもらった。

熊澤監督曰く、本作は「韓国人の女の子が日本人の女の子のために、恋愛指南をする話」。「T-ARA」として活躍するアイドルのヒョミンが演じた韓国人・ジホは、ファッションも仕草も男子たちのツボを押さえる熱血指導の“恋愛教官”。片や、清水さんが演じた日本人の楓は、黒髪&ショートカットのボーイッシュな見た目にどクールな性格。

「何故か毎年、(自分の)作品が韓国の映画祭で紹介されて」と不思議な縁を明かす熊澤監督は、何度となく韓国を訪れた体験が、本作のキャラクターを生み出すヒントとなったそう。韓流モノの恋愛映画やドラマを見たことがある方はお分かりだろうが、そのラブストーリーとしての“濃さ”は世界中を見回してもトップクラスの濃度。熊澤監督も「濃いよね~」と笑うが、それは映画やドラマだからというわけではない。

「韓国の人たちって、本当に日常生活からすごくアツいし、ロマンチストでいつも真剣。でも、クールな日本人からするとそれは、ちょっとアツすぎだって思えたりして。日本人と韓国人は似ているようで、でもやっぱり文化に違いがあるってことに気づいて、そこの温度差やギャップを映画で描いたら、面白いものが作れるんじゃないかなって」。

映画では、ジホの事故で失った恋人との思いとして、男性が女性に贈る“100日記念”(※付き合って100日目を祝う記念日)なるカップル行事が登場するが、それも韓国では実際に行われているものだそうで、記念日のサプライズ・イベントを企画する企業まであるという。

そんな韓国の男子を肉食系(?)と表現するならば、本作に登場する楓の想い人・雄介は完全なる草食系…。しかしそれを演じたのが、ドラマ「35歳の高校生」で学校を裏から支配するヒールを演じ、来春公開される『L・DK』では“学校一のツンデレ男子”として剛力彩芽を振り回している山崎さんだ。

意外…といっていいキャスティングだが、監督は俳優・山崎賢人に別の魅力を見ていたと明かす。
「もちろんカッコいいし、ツンデレの男の子の役なんかは彼の武器だと思う。でも今回オーディションで選んだけど、すごく繊細でグレーなゾーンの細かい心のお芝居ができる子だって思った。現場にいるときもふわっと優しい感じで、雰囲気がすごく丸くて。それは彼の持っている本当の魅力なんじゃないかと思うんだ」。

さらに、草食男子・雄介に恋する楓を演じた清水さんについても、以前から相当の魅力を感じていたといい。今回の主演抜擢は「念願だった」とその想いの強さを明かす。
『桐島、部活やめるってよ』(バドミントン部・宮部実果役)を観る前からすごく気になってたんだ。すごく普通っぽくて日常感があるのに、グイグイ気持ちが伝わってくるタイプの俳優だなって。大げさじゃなくて、唯一無二なくらいの才能なんじゃないかと思ってたんだ。オーディションで選んだんだけど、僕の心の中では彼女がお気に入りで、結局いろんな人の意見を聞いても彼女だなってなったんだよ」。

今回この2人が演じたのは、恋に積極的ではない引っ込み思案なタイプ。しかし、冒頭で紹介した監督の言葉通り、10代の恋愛には思いもよらない「サプライズがある」のだ。

しかし、40代半ばの男性が10代の甘酸っぱい恋愛を描く。何となく遠い気もするが、そこには学校で教壇に立つ監督ならではの経験も活かされているという。
「10代ってもっとも“男女”としての意識が芽生える時期で、恋愛のことでいっぱいいっぱいになっちゃう時期だよね。“あの子と付き合えるなら、死んでもいい!”ってくらいに訳分かんなくなるんだよね(笑)。僕はたまたまそういった年代の人と話す機会が多くて、現代ならではの感覚もあったりして、そこにいつも興味を引かれるんだ。そうしてると、“あいつはこういう事を思って、あんなことを言ってたんだなぁ”って皮膚感覚で何となく分かってくるんだ」。

それでも00年代以降の若者たちを相手に恋愛の話をする中で、「理解できるところ、できないところはもちろんある」とも。
「たとえば、なかなか好きな人に対して告白できないとする。悩んでること自体は共感できるけど、中には“見ているだけでいいんです”っていう子がいたりして、その感覚にはビックリした(笑)。僕らの時代にはいなかったタイプだから。個人的には『言っちゃえよ!』って思うけど(笑)」。

そんな若者たちの恋愛を描きながら、本作では映画ファンとしての一面も覗かせている熊澤監督。劇中では、『エターナル・サンシャイン』の氷の上で愛を語るシーンや『君に読む物語』に登場する道路に寝転がっての会話シーンなど、ジホによる恋愛映画のワンシーンを使ったムード作りが恋愛指南の“最終奥義”として伝授される。

監督は「今回、選ばれているラブストーリーは全部僕が好きなもの」と明かすが、それは映画ファンたちが愛した名作たちでもある。そのリスペクトぶりは、映画ファンも納得の仕上がりで、思わずすべての作品を見直したくなるほどだ。この名作ラブストーリーの中からワンシーンを使って、楓は雄介に告白されることになるのだが、成功したかどうかは劇場でのお楽しみ。

最後に、本作『ジンクス!!!』にちなんでこんな質問を。映画を撮る上での監督の“ジンクス”は?
「映画を撮る前は、お祓いとお祈りをしてもらうんだ。スタッフ全員で行くんだけど、それは単なる儀式ではなくて、みんなでこれから作品を作るんだっていう緊張感を大切にしているんだ。そういう意味で、すごくいい“ジンクス”だと思ってるよ(笑)」。
《シネマカフェ編集部》

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