【インタビュー】さかなクンが“ギョ紹介”! 『ファインディング・ドリー』のすごさと魅力

「ギョいしょっ」と言って腰掛けた途端、ノンストップで話し続けるのは微に入り細を穿った魚の知識。そのどれもが専門的なのにもかかわらず、魅力的な語りに思わず聞き入ってしまうのが不思議だ。

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『ファインディング・ドリー』日本版海洋生物監修を務めたさかなクン
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  • 『ファインディング・ドリー』(C)2016 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
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東京海洋大学名誉博士をはじめ、様々な肩書きを持つさかなクンだが、イラストレーターもそのひとつであり、いまにも動き出しそうな色鮮やかな魚たちの姿には、魚に対する確かな知識と愛を感じさせ、観るものを惹きつける魅力がある。そんなイラストレーターとしてのさかなクンの目からは、ピクサーが描く魚たちの姿はどう映るのだろうか? 「例えば、マーリンさんやニモちゃんのクマノミって、“ワインディング”と呼ばれるように、泳ぐときに必ず体をくねくねさせて泳ぐんですね。その動きからか、クラウン(=道化師)フィッシュ、アネモネフィッシュなんて呼ばれ方もしているんです。一方ドリーちゃんは、体を真っ直ぐさせて、胸ビレを、鳥さんのはばたきのように上下に動かして泳ぐんですね。映画では、そういった細かい動きや泳ぎ方も表現されています。今回の作品でも、クリエイターの皆さんが足繁く水族館に通って、お魚をすっギョく観察されていたと伺って、そういったことがあの自然な動きとか泳ぎ方、表情とかが、生き生きと表現されることに繋がっているんじゃないかなと感じました」と、惜しげもない賛辞を送る。

「お魚って一見表情がないように見られがちなんですけど、お魚の表情とかよく見ていると、あーって大きなあくびをしたり、目を吊り上げて怒ったり、“クリーナー”と呼ばれる、ちっちゃなお魚やエビちゃんに掃除してもらってるときのウツボちゃんやクエちゃんの表情を見ると、ああ気持ちいい! って感じの顔をするんですね。だから、お魚たちの表情っていうのは観察すればするほど、いろんな表情があるんだなあって気づくんですよ」と語るさかなクン。その言葉には、長年魚たちを描き続けてきたさかなクンならではの、魚たちに対する温かい眼差しが感じられた。

「お魚の世界でありながら、親子の絆でしたり、家族の大切さ、そういったものが素晴らしく描かれていて、ジーンとくるシーンもたくさんありましたね」。そうさかなクンが語るように、本作ではドリーが家族を探す冒険の中で自分自身のルーツを知り、自信を取り戻していく姿が感動的に描かれている。ディズニー/ピクサー映画ならではの普遍的なストーリーは本作の大きな魅力のひとつだが、さかなクンは作品の中で“擬人化”された登場人物としての魚だけではなく、あくまで魚として生きる彼らに対しても目線を向ける。「実際にお魚もいろんな経験をして、大人になっていくんです。小さいお魚は釣り針にかかりやすかったりするんですが、大人になるまでにいろんな危険な目に遭ったりするので、大人の魚は釣られないように、成長していくんです。もちろん映画では、魚が擬人化されている部分もあるんですけれど、お魚も家族を大切にしたり、命がけで卵を守ったりするんですね」。

2010年には、絶滅したとされていた「クニマス」の再発見を実現させるなど、会いたいという気持ちを実際に大好きな魚たちとの出会いに結びつけてきたさかなクン。最近では、「東京スカパラダイスオーケストラ」とのコラボレーションや、映画『フォーカス』の企画でウィル・スミスに扮したりと、そのキャラクター性から領域をまたいで様々な活躍ぶりを見せているさかなクンに、今後の目標について聞いてみた。すると、やっぱり頭に浮かぶのは魚のことばかり。まるでその日が実現したかのような笑顔を浮かべ、さかなクンは語った。「誰も見たことのないお魚に会ってみたいなあというのは、すギョく前から思ってる夢なんです。ギョギョ! なんだこのお魚は! って、そんなお魚に会えたらいいなあと思っています」。
《text:cinemacafe.net》

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