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【シネマ羅針盤】第90回アカデミー賞、やっぱり黒一色? 今年の受賞式は何が起きるか

映画界最大の祭典である第90回アカデミー賞が3月5日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催される。昨年は「作品賞の発表ミス」という前代未聞のハプニングがあったが、記念すべき第90回授賞式では、どんなドラマが生まれるか?

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グレタ・ガーウィグ&マーゴット・ロビー&シアーシャ・ローナン&アリソン・ジャネイ-(C)Getty Images
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  • ゲイリー・オールドマン 『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』-(C)Getty Images
  • 『スリー・ビルボード』キャスト&監督-(C)Getty Images
  • ジョーダン・ピール監督&メアリー・J・ブライジ&オクタヴィア・スペンサー-(C)Getty Images
映画界最大の祭典である第90回アカデミー賞が3月5日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催される。昨年は「作品賞の発表ミス」という前代未聞のハプニングがあったが、記念すべき第90回授賞式では、どんなドラマが生まれるか?

GG賞、英アカデミー賞に続き、アカデミー賞でも「黒の抗議」となるか



(C)Getty Images
例年であれば、女優たちが最新トレンドのドレスに身を包み“美の競演”を繰り広げるレッドカーペットだが、今年は黒一色になる可能性が高い。その理由はもちろん、長年映画業界に横行したセクハラを含めた、女性への性暴力撲滅を訴える「#Me Too」及び「Time's Up」キャンペーンへの賛同だ。すでに第75回ゴールデングローブ賞、第71回英アカデミー賞で同様の現象が起こっており、この流れはアカデミー賞にも引き継がれるはず。

授賞式では、オスカーを手にした受賞者がスピーチの際に、セクハラ問題に対し自分なりの主張を述べるかもしれないし、昨年に続き、司会を務めるジミー・キンメルがこの件をいかに“料理”するかも注目だ。

ガル・ガドット、プレゼンターとして授賞式に参加



ガル・ガドット-(C)Getty Imagesプレゼンターとして授賞式に参加予定のガル・ガドット-(C)Getty Images
すでに、過去のセクハラ疑惑が表面化しているオスカー俳優のケイシー・アフレックが、今年のプレゼンターを辞退したばかり。アカデミー賞では伝統的に、前年の主演男優賞受賞者が、主演女優賞のプレゼンターを務めてきただけに、「今年は誰がオスカー像を手渡すのか?」と憶測が飛び交っている。

そんななか、『ワンダーウーマン』の主演ガル・ガドットが、プレゼンターとして授賞式に登場することが発表された。現時点でどの部門かは不明だが、力強い女性賛歌を体現した彼女は、主演女優賞のプレゼンターに適任かも。


ほかにも、2月21日(現地時間)アカデミー賞の公式Twitterにて、マーク・ハミル、アーミー・ハマー、オスカー・アイザック、リン=マニュエル・ミランダ、ジーナ・ロドリゲス、エヴァ・マリー・セイント、ウェス・ステュディ、ケリー・マリー・トラン、ゼンデイヤがプレゼンターとして参加を発表した。

人種差別・DV・セクハラ…“ハリウッド事情”が波乱を起こすか



『スリー・ビルボード』キャスト&監督-(C)Getty Images『スリー・ビルボード』キャスト&監督-(C)Getty Images
今年は主要部門の受賞結果に、大きな波乱はないと予想する。作品賞は『スリー・ビルボード』で決まり(加えて主演女優賞、助演男優賞、オリジナル脚本賞も大本命)。監督賞は13部門にノミネートされた『シェイプ・オブ・ウォーター』のギレルモ・デル・トロが輝くはず。番狂わせがあるとすれば、主演男優賞か。

ゲイリー・オールドマン 『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』-(C)Getty ImagesDV告発がされたゲイリー・オールドマン-(C)Getty Images
現時点では『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』のゲイリー・オールドマンが本命だが、ここに来て元妻からのDV告発が…。影響は未知数だが、ぜひとも、同作でメイクアップ賞候補に挙がっている辻一弘氏とのダブル受賞を願いたい。

ジョーダン・ピール監督&メアリー・J・ブライジ&オクタヴィア・スペンサー-(C)Getty Imagesジョーダン・ピール監督&メアリー・J・ブライジ&オクタヴィア・スペンサー-(C)Getty Images
本命が強すぎて、受賞には至らないかもしれないが、『ゲット・アウト』のジョーダン・ピール監督がアフリカ系アメリカ人として、史上初めて、作品賞、監督賞、オリジナル脚本賞の3部門に同時ノミネートされたことは、かつて「白すぎる」と批判されたアカデミー賞の歴史をふり返ると、非常に意味深い。メアリー・J・ブライジ、オクタヴィア・スペンサーが候補に挙がる助演女優賞は、主要部門で唯一の混戦だ。
《text:Ryo Uchida》

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