#MeToo時代の母の強さとは!?『ゲティ家の身代金』ほか映画6選

“#MeToo”に端を発する突然のキャスト交代劇から、代役クリストファー・プラマーの史上最年長アカデミー賞ノミネートまで大きな話題となったリドリー・スコット監督作『ゲティ家の身代金』

映画 洋画ニュース
『ゲティ家の身代金』 (C)2017 ALL THE MONEY US, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
  • 『ゲティ家の身代金』 (C)2017 ALL THE MONEY US, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
  • 『ゲティ家の身代金』 (C)2017 ALL THE MONEY US, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
  • 『All the Money in the World/オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド』(原題) (C)2017 ALL THE MONEY US, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
  • 『ゲティ家の身代金』(C)2017 ALL THE MONEY US, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
  • 『ターミネーター2 3D』
  • ジョディ・フォスター-(C)Getty Images
  • ジョディ・フォスター-(C)Getty Images
  • 『スリー・ビルボード』 (C)2017 Twentieth Century Fox
「#MeToo」に端を発する突然のキャスト交代劇から、代役クリストファー・プラマーの史上最年長アカデミー賞ノミネートまで大きな話題となったリドリー・スコット監督作『ゲティ家の身代金』。本作では、誘拐された息子を救うため、男性社会で奮闘する“母親の強さ”が描かれている。本日5月13日の「母の日」、そんな本作と共に、「#MeToo」時代に母親の強さが感じられる映画・新旧6作品をご紹介!

【息子も未来も守る。戦う母の代表格】リンダ・ハミルトン:サラ・コナー『ターミネーター2』(1991)


ジェームズ・キャメロンによるSFアクション映画の傑作にして、誰もが知る強い母親サラ・コナー。前作『ターミネーター』では、未来から送られてきた殺人マシーン・ターミネーターに命を狙われ、今作では自分の息子ジョン、そして世界を守るために、再び戦いに挑んでいく。危険や法を破ることもを顧みずに、命を狙われた息子を守るために戦う姿は、ハリウッドを代表する強い女性キャラクターとして、ターミネーターに負けず劣らずの人気を誇る。

『ターミネーター2 3D』

【豪邸の中で密室心理戦】ジョディ・フォスター:メグ・アルトマン『パニック・ルーム』(2002)


『ゲティ家の身代金』では豪邸に住む大富豪が敵となるが、今作では豪邸そのものが事件の元凶となってしまう。豪邸に隠された財産を狙い忍び込んでくる強盗相手に、母メグと娘サラ(クリステン・スチュワート)が立ち向かっていく極限状態における犯人との心理戦は必見だ。自らの知恵と身の回りにあるもので犯人に挑む必死さに、母の愛の強さが伝わってくる作品だ。監督は鬼才デヴィッド・フィンチャー。

【自責の念が生み出した行動力の化身】フランシス・マクドーマンド:ミルドレッド・ヘイズ『スリー・ビルボード』(2017)


第90回アカデミー賞主演女優賞、助演男優賞を受賞した記憶にも新しい本作。娘を殺した犯人を捜すために過激な行動に出る母親ミルドレッドは、その過激さからサラ・コナーと似ているように思えるが、2つの点で異なっている。1つは過激な行動の裏に、娘の死の原因の一端を自身に感じ、内向きの怒りを抱えている点。もう1つは、敵を倒すことではなく、赦すことで前に進んでいく点。物語もキャラクターも過激さと人間くささを併せ持つ魅力的な作品だ。ベネチア国際映画祭およびゴールデン・グローブ賞脚本賞受賞のマーティン・マクドナーが監督・脚本。

『スリー・ビルボード』 (C)2017 Twentieth Century Fox

【母親VS腐敗した社会権力】アンジェリーナ・ジョリー:クリスティン・コリンズ『チェンジリング』(2008)


本作は、1920年代のロサンゼルスで起こった連続誘拐少年殺人事件を元にした実話。この事件が忌まわしいのは、犯人だけでなく警察をはじめとした権力者も同様に、醜悪な存在だということ。警察は、誘拐されたクリスティンの息子とは別の子どもを息子として引き渡し、それを訴えた彼女を異常者として精神病院に強制入院させる。それでも息子の生存を信じて過酷な状況でも諦めない母親の姿は、愛の強さを観客に強く訴える内容となっている。クリント・イーストウッド監督作品。

『チェンジリング』 -(C) 2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

【これが現実の話だと思うと…】ブリー・ラーソン:ママ/ジョイ・ニューサム『ルーム』(2015)


第88回アカデミー賞主演女優賞を始め、多くの賞を受賞した本作。暴行目的で拉致、監禁された母とやがて生まれた息子が脱出し、閉じ込められた「部屋」だけが世界の全てだった息子ジャックの認識が徐々に変化していく物語は、衝撃と感動の涙を誘った。エマ・ドナヒューによる原作小説は、日本を含む世界各国で起きた同様の事件から着想を得ている。歪んだ男性社会の被害者で終わらず、勇気と知恵で立ち向かう『チェンジリング』や今作は、2018年現在、より意義あるものとなっている。監督はアイルランドの気鋭レニー・アブラハムソン。

『ルーム』 (c)ElementPictures/RoomProductionsInc/ChannelFourTelevisionCorporation2015

【彼女が戦う相手は誘拐犯、そして世界一の大富豪】ミシェル・ウィリアムズ:アビゲイル・ハリス『ゲティ家の身代金』(2018)


フォーチュン誌によって、世界で初めての億万長者に認定された石油王ジャン・ポール・ゲティ。1973年、ローマで彼の孫が誘拐され、当時史上最高額とも祝える身代金を要求されたが、なんとゲティは身代金支払いを拒否! そんな世界一有名な誘拐事件を、巨匠リドリー・スコットが映画化した。

誘拐犯の男たち、圧倒的な財産を持ちながら身代金を支払わない義理の父ゲティ、薬中の元旦那と、彼女の周りに存在する男たちは、ことごとく障害となる。立ちはだかる男たちと金に翻弄されながら、それでもは母アビゲイル(ゲイル)は息子を救うため、強く前に進んでいく。彼女の唯一の目的は息子を無事に取り戻すことであり、ゲティ財団のお金は子どもを取り戻す手段でしかない。

『All the Money in the World/オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド』(原題) (C)2017 ALL THE MONEY US, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
「最後まで諦めない」という意思を繰り返し証明していかなければならない、ゲイルを演じるミシェル・ウィリアムズは語っている。

女性であるがために軽んじられ、過小評価され、除外される…


「もちろんこれはサスペンスに満ちたドラマではあるが、同時にフェミニズム映画でもあると思う。男の世界のなかで女であるというのはどういうことなのかを掘り下げる」というミシェル。

「まともに受け止めてもらうには、あらゆる知力と能力を使って闘い、事態をコントロールし、周りと対等に渡り合わなければならないということを彼女は本質的に分かっていた。女であるがために軽んじられ、過小評価され、除外されるシーンがこの作品には数多く散りばめられている。こういうタフで、リアルで、尖ったところのある複雑なキャラクターを演じるのが大好き。ゲイルは崩れることが許されない。目標をしっかりと見据えないといけないが、そこまでの道筋が日々刻々と変化する。彼女のコントロールの及ばないところで様々な出来事や人々が影響して事態が変わっていく」と彼女は説明する。

マーク・ウォールバーグ&ミシェル・ウィリアムズ-(C)Getty Imagesマーク・ウォールバーグ&ミシェル・ウィリアムズ
#MeToo問題で注目を集めた本作だが、図らずも作品内容はそれと呼応するかのごとく、弱い立場に置かれた女性が己の尊厳と愛する息子のために奮闘する物語だ。過去の事件を元にした映画ではあるが、時代と映画が持つメッセージは、現代の問題と符合している。そんな本作をぜひスクリーンで確かめてみてほしい。

『ゲティ家の身代金』は5月25日(金)より全国にて公開。
《text:cinemacafe.net》

特集

関連記事

特集

page top