【シネマ羅針盤】ダンボのように“気持ちが羽ばたく”…バートン監督、仕事の流儀は「楽しむこと」

想像×創造のマジックで数々の名作を送り出すティム・バートン監督。最新作『ダンボ』を引っさげ、来日した鬼才に話を聞いた。

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ティム・バートン監督『ダンボ』
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  • 『ダンボ』(C)2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved
  • 『ダンボ』(C)2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved
  • 『ダンボ』(C)2018 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved
  • 『ダンボ』本ポスター (c)2018 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved
想像×創造のマジックで数々の名作を送り出すティム・バートン監督。インスピレーションを爆発させながら、多くのファンを魅了する舞台裏には「常に楽しむことを意識する」という仕事の流儀があった。最新作『ダンボ』を引っさげ、来日した鬼才に話を聞いた。

ダンボに共感! その理由は、少年時代にあり


「子どもの頃から絵を描くのが大好きだった。自分の思う通りに描けず、投げ出したくなるときもあったけど、そんなときこそ『じゃあ、とにかく楽しもう』って気持ちに切り替えるんだ。すると、まさに魔法が起こったように、自信が湧きあがる。ダンボのように、気持ちが羽ばたく瞬間が訪れるんだ。映画監督になったいまも、それは変わらないよ」

ティム・バートン監督『ダンボ』
そう語るバートン監督は、1941年に製作されたディズニー・アニメーションの古典的名作『ダンボ』の大ファンであり、いまも「共感する部分がある」のだとか。「大きな耳のせいで、奇異な目で見られ、周囲からも浮いた存在。まるで、子ども時代の僕なんだ。でも、他人から欠点だと思われるコンプレックスを、肯定することに美しさがある。空を飛ぶゾウの姿は、それだけで強いテーマ性があるし、混沌とした時代だからこそ、大いにインスピレーションを刺激されるよ」と瞳を輝かせる。

ダンボは「まるで“ハート”のような存在」


本作の主人公は、もちろん、大きな耳をもって生まれたゾウのダンボ。その姿は「かわいい」の枠を超えて、見る者の想像を刺激しながら、小さな体に秘めた豊かな感情を表している。「ダンボを通して、シンプルで純粋な気持ちを伝えたかったからね。現実とファンタジーのバランスを意識し、試行錯誤を重ねたんだ。変に擬人化するのは、イヤだったしね。おかげで、とても有機的な、まるで“ハート”のような存在になったと思う」

『ダンボ』(C)2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved
本作をはじめ、『バットマン』『チャーリーとチョコレート工場』『アリス・イン・ワンダーランド』など、過去にも映像化された作品を、持ち前の感性で“リイマジン”することも多いバートン監督。その重圧を問うと「確かに、みんなの心に自分なりのイメージがあるから、すべての人を満足させられないかもしれない。でも、かつての僕が『ダンボ』に勇気づけられたように、今度は僕が誰かの背中を押せるなら、それはすばらしいことだと思うよ」と胸を張った。

『ダンボ』(C)2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved

常連キャストが多数集結! まさに“奇妙なファミリー”


数々のバートン作品に出演していたダニー・デヴィート、近年の“ミューズ”であるエヴァ・グリーン、さらに『バットマン リターンズ』以来のタッグとなるマイケル・キートンら、バートン一座の常連が多数集結しており、「まさに奇妙なファミリーだよね」。彼らは物語の舞台であるサーカスで出会い、ダンボがかける魔法に魅了(ときに翻ろう)される。

『ダンボ』(C)2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved
「正直言うと、子どもの頃はサーカスが好きじゃなかった。動物がかわいそうだったし、ピエロは怖い(笑)。でも、一方で居場所がない“異形”の者たちが、家族のように寄り添っている。もちろん、古めかしい概念だけど、彼らが人生の喜びと美しさを表現する姿は大好きなんだ。それは映画作りにも似ているかもしれないね」

ティム・バートン監督『ダンボ』
次回作として、キートンと再タッグを組む『ビートルジュース2』のウワサが取りざたされているが、「いまは『ダンボ』が完成したばかりで、無の状態。何も考えられない」とのこと。

最後に「もし、またディズニー作品をリメイクするなら、何がいい?」と聞くと、「君は知っているかな? 70年代に製作された“The Cat from Outer Space”って言う、宇宙ネコが活躍するSF映画。そろそろ、リメイクされてもいい時期じゃないかな」とおどけた表情を見せた(日本では『スペースキャット』の題名でテレビ放送された)。恐らくは、その場の思いつき(笑)だと思うが、そんな自由な発想と直感も、バートン監督のイマジネーションの源泉なのだろう。

ティム・バートン監督『ダンボ』
《text:Ryo Uchida》

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