【映画と仕事 vol.1】SNSを駆使した映画プロモーション コアなファンの“熱量”を見極め寄り添う

「映画業界」と言っても、製作から配給、宣伝、劇場、さらにはメディアまでお仕事の中身はいろいろ。シネマカフェでは「映画お仕事図鑑」と銘打って、そんな映画業界の“中の人”にインタビューを敢行し、詳しい仕事の内容、映画業界の内側を紹介する新連載をスタート!

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「映画お仕事図鑑 vol.1」東香瑠さん
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「映画業界」と言っても、製作から配給、宣伝、劇場、さらにはメディアまでお仕事の中身はいろいろ。シネマカフェではそんな映画業界の“中の人”にインタビューを敢行し、この業界に入ったきっかけから詳しい仕事の内容まで紹介する新連載をスタート!

第1回目に登場していただくのは映画のプロモーションを請け負う宣伝会社、特にその中でもWEB上のプロモーションを特化して行なっている株式会社フラッグの東香瑠さん。東さんは特にSNSを駆使したプロモーションに従事されており、洋画・邦画を問わず様々な作品を担当されています。

「映画を仕事にしたい!」と札幌から上京! 初めて知った”WEB宣伝”の仕事



――まず、映画業界および、現在の会社に入るきっかけについて教えてください。

もともと映画が好きで、学生時代がちょうど邦画がすごく盛り上がっていた時期で、岩井俊二監督や行定勲監督の作品が好きでよく見ていました。北海道の札幌出身なんですが、映画を作りたくて「映画のことをやるなら東京だ!」と思って上京し、映画の専門学校に入りました。そこで脚本の書き方や編集を勉強したり、実際に短編を仲間と撮ったりし最初に学んだのは宣伝ではなく制作のことだったんです。

――最初に希望されていたのは宣伝ではなく、作り手側だったんですね。

卒業後も映画の仕事をしたいという気持ちは強かったんですが、「制作現場」は自分の目指す方向とはちょっと違うなという思いもあり、とはいえ当時は「宣伝」という仕事があることすら頭になかったんですね(笑)。

昔からWEBが好きということもあって、WEBの勉強も少ししていて、例えば映画の公式サイトを作ったりする仕事はできないかと思って、いくつかの会社を受けたんですが、なかなか受からず、結局、女性向けのファッションなどを販売する、いわゆるECサイトを運営する会社にWEBデザイナーとして入社したんです。

ただ、そこで仕事をしつつも「映画の仕事がしたいなぁ」という思いは持っていて、そんな中、映画の宣伝について学ぶことができる「ニューシネマワークショップ」の存在を知ったんです。そこで初めて「映画の宣伝って仕事があるんだ! なるほど」と(笑)。

そこにいまの会社の代表である久保(浩章)が講師として来ていて、WEBの宣伝についての講義が行われたんです。先ほども言いましたが、もともとWEBが好きだったこともあって、すごく興味深いなと思ったら、ちょうど求人を出しているということで応募しました。

――入社後、最初に担当されたお仕事は?

当時はまだ、いま私が担当しているSNSに特化した宣伝チームというのはなくて、まずはWEBパブリシティのチームに配属となって、その中でも某大手配給会社の洋画作品を担当しました。

――WEBパブリシティというのは、WEBメディアでのニュース配信や特集の展開などですね?

そうです。最初は右も左もわからないアシスタントで、もう未知すぎて何をやったらいいのかもわからない状態でした…(笑)。担当する作品に関するニュースのURLをピックアップしてリスト化したり、とにかく必死にやってました。

ただ、その次に担当した同じ洋画系の作品で、WEB媒体さんと組んで自分で特集を企画し、ニュースを出したりしまして、そこで自分が考えた企画が記事となって世の中に露出しているのを見て、すごくやりがいを感じました。その後は、別の大手配給会社のアニメーション作品などを担当しました。

学生時代に足を運んだゆうばり映画祭を仕事で訪れ感慨!



――東さん自身、以前からかなりのアニメ好きだそうですね?

そうなんです。ただ、入社当初はあまりそのことを公言しておらず…。「仕事なのに好きなことを公言するってどうなんだろう?」とか勝手に思ってたフシがありまして(苦笑)。いまにして思うと、特にうちの会社はみんな「好きなことは言ってナンボ!」なんですけど、当時は変に緊張してたんですよね。

でも、ある機会にみんなで食事をすることがあって、そこでたまたまアニメの話になったときに「実は私、アニメファンで、コスプレしたり、コミケに通ったりするくらい大好きで…」という話をしたら、代表の久保から「え? 早く言いなさいよ! じゃあアニメ作品を担当したらいいじゃん」と。

――それでアニメ作品の担当に?

はい、ちょうどチーム編成を変更する時期だったこともありまして。そうやってアニメを担当するようになると、社内だけでなく配給会社の方からも頼っていただけることが多くなり、自信になりました。ファンの目線を理解しないといけないのはテレビや紙媒体での宣伝でも同じですが、WEBは特にファンとの距離が近いというのが特徴なので。

――入社されてから担当したWEBパブリシティの仕事の中で、印象深い仕事を教えてください。

これはWEBだけに特化した仕事ではないんですが、うちの会社で毎年、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭のプロモーションを請け負っていまして、私も実際に何度か現地に足を運んだんですけど、すごく楽しかったですね。

――現地ではオープニングセレモニーに始まって、毎日、様々なイベントや舞台挨拶などが行われます。東さんたちは、イベントの運営やゲストの俳優さんのアテンド、インタビューなどのスケジュール管理にマスコミ対応、ニュースの配信まで多岐にわたるお仕事をされるんですよね?

大変なんですけど「現場だなぁ」と感じさせてもらえますね。この映画祭に限らず、普段から映画館での舞台挨拶や記者会見などのイベントの運営を行なうことは多いんですが、私、イベントの仕事って好きなんです。WEBの宣伝ってなかなかお客さんの前に出る機会がないんですけど、イベントだとその場で直にお客さんの顔を見ることができるので。

ゆうばりはその連続ですからね。大変なことも多いし、会期中は忙しくて寝る間もないくらいですが(苦笑)。やっぱり普段のイベントと比べても、観客とゲストの距離も近いし、熱量が高いんですよね。あのお祭り感が何とも言えないですね。

私自身、学生時代に札幌からひとりでゆうばり映画祭を見に行ってたんです。そんな映画祭に仕事ととして携われるってめちゃくちゃエモいなぁって(笑)。そういうのはこの仕事の面白い部分のひとつですよね。

――ただ、取材する側から見て、舞台挨拶や会見などを取り仕切らなくてはいけないイベントの仕事は大変そうだなぁと…(苦笑)。

たしかに大変ですね。まず、多くの人の目にニュースとして触れてもらうために行なうイベントですから、できる限りたくさんのマスコミのみなさんに来ていただかないといけないし、現場もいろんな予期せぬことが起きたりしますし…(苦笑)。

完成披露舞台挨拶や記者会見が行われる場合、そのイベントだけでなく、前後の時間で俳優さんや監督の個別取材(インタビュー)も行なわれることがほとんどです。そのスケジュールの調整もありますし、イベント終了後には、その内容をニュースで配信してもらうためにリリースの作成をしたりもします。

《photo / text:Naoki Kurozu》

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