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父娘の笑える浮気調査!ソフィア・コッポラ×A24×Appleで贈る『オン・ザ・ロック』

その名を聞くだけで心躍るコラボレーションが、実現した。世界を驚かせ続けるテックの帝王Appleと、いま映画ファンから最も信頼されるスタジオの筆頭A24。2社が手を組み、オリジナルの映画を制作するという。

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父娘の笑える浮気調査!ソフィア・コッポラ×A24×Appleで贈る『オン・ザ・ロック』
(C)2020 SCIC IntlPhoto Courtesy of Apple 父娘の笑える浮気調査!ソフィア・コッポラ×A24×Appleで贈る『オン・ザ・ロック』
  • 父娘の笑える浮気調査!ソフィア・コッポラ×A24×Appleで贈る『オン・ザ・ロック』
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その名を聞くだけで心躍るコラボレーションが、実現した。世界を驚かせ続けるテックの帝王Appleと、いま映画ファンから最も信頼されるスタジオの筆頭A24。2社が手を組み、オリジナルの映画を制作するという。ドキュメンタリー『Boys State』に続き、彼らが手掛けた待望の劇映画が、10月2日に劇場公開を迎える『オン・ザ・ロック』だ。
(C)2020 SCIC IntlPhoto Courtesy of Apple
AppleとA24が白羽の矢を立てたのは、トップクリエイターのソフィア・コッポラ監督。デザイン性・芸術性・ファッション性を兼ね備えた彼女が、ラブコールを送ったのは盟友ビル・マーレイ。そして、『ソーシャル・ネットワーク』のラシダ・ジョーンズ。果たして、どんな作品が出来上がったのだろうか?

今回は、3つのポイントでこの『オン・ザ・ロック』の魅力をご紹介する。

ソフィア・コッポラ×A24×Appleが初コラボ



この三者のコラボといえば、映画好きはもちろん、デザインやカルチャー分野のアーリーアダプターも反応せざるを得ないだろう。ソフィア・コッポラといえばとかくセンスの塊で、そこにAppleとA24が加わったとなれば、洗練度が突き抜けた作品になることは想像に難くない。先行して公開された予告編からも、ニューヨークのお洒落な街並みに軽妙洒脱な雰囲気がマッチし、大いに期待感を抱かせた。

ちなみに元々、A24は設立当初にコッポラ監督の『ブリングリング』の北米配給を行っており、久々のタッグというのもファンには嬉しいポイント。近年の破竹の勢いは、誰もが知るところだ。Appleは自社の配信サービス「Apple TV+」でスティーヴン・スピルバーグやM・ナイト・シャマラン、J・J・エイブラムスといった名だたる作り手たちと組んでおり、実績は十分。

コッポラ監督は2017年の監督作『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』がカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞しており、キャリア的にも最も脂がのっている時期。各々が歩んできた道のりを見ても、いまがチームを組む最高のタイミングであることは明白だ。

娘と父が浮気調査?引き込まれる「設定」



さあ、では具体的な“中身”を見ていこう。今回、彼らが紡いだのはなんとコメディ! 早速、意外性で魅了してくれる。

コッポラが脚本も手掛けた『オン・ザ・ロック』は、ある父娘の物語だ。夫や娘たちと幸せな生活を送っていたローラ(ラシダ・ジョーンズ)。しかし、夫のディーン(マーロン・ウェイアンズ)が新規事業で家を空けがちになり、さらにある出来事から彼女は疑念を抱く。「ひょっとして、夫は浮気をしているのでは?」――。

(C)2020 SCIC IntlPhoto Courtesy of Apple
そこでローラが相談した相手は、父親のフェリックス(ビル・マーレイ)。実は彼、超が付くほどのプレイボーイで資産家。男女の色恋沙汰のエキスパートというわけだ。そんなフェリックスのアドバイスを聞くうちに、なぜか2人で浮気調査に乗り出す流れに。この迷コンビ、何を巻き起こすのか? そして、夫の不可解な行動の真相は?

予備知識なく入り込める“家族”という題材に、共感性抜群の夫婦のリアルな姿、プラス興味をそそる父娘の可笑しみあふれるドラマを盛り込み、「見やすさ」と「目新しさ」を両立。そして、なんといってもマーレイ演じる父のキャラクターが最高だ。どこへ行っても目につく女性に甘い言葉をささやき、唯我独尊を地で行く人物なのに、愛嬌があって憎めない。きっと、観ているだけで好きになってしまうこと請け合いだ。

普通じゃない父と振り回される娘の関係性も絶妙だが、ただ笑わせるだけでなく、2人が過去の傷を修復していく温かなドラマもきっちり盛り込まれ、全くもって隙が無い。

(C)2020 SCIC IntlPhoto Courtesy of Apple

こんなソフィアが観たかった



『オン・ザ・ロック』の魅力は、新しさだけではない。ソフィア・コッポラの映画作家としての成熟ぶりを存分に感じられる、懐かしさに根差した“進化”も随所にみられるのだ。

コッポラとビル・マーレイのコラボといえば、日本を舞台にした傑作『ロスト・イン・トランスレーション』での相性の良さを思い出すが、15年以上を経て経験を重ねてきたふたりの、演出と演技の阿吽の呼吸はまさに職人芸。

マーレイはトボケた表情を見せつつも、コッポラ監督の世界観から逸脱することなく、人間的な深みを付加している。かと思えば、コッポラは「男は女無しで生活できないが、一緒に暮らす必要はない」などの秀逸なセリフを用意し、マーレイのキャラクター造形を強力にサポート。2人の“上手さ”が全編に行き届いている。

そのマーレイとラシダ・ジョーンズが演じる親子の関係性は、同じく父娘の交流を描き、ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した『SOMEWHERE』の進化系ともいえ、これまたコッポラのファンにとってはニヤリとさせられるところ。『オン・ザ・ロック』での2人の距離感を観ていると、同作がオーバーラップするのではないか。

ほかにも、夜半のニューヨークで繰り広げられる車同士の追跡シーンや、ピンクを基調としたローラの自宅、職場に置かれているセンスの良い小物たちなど、コッポラの優れた色彩センスが光る部分も。

コッポラの3年ぶりとなる長編監督作『オン・ザ・ロック』には、原点回帰的な「暖かさ」と、彼女らしい「乾いた孤独」が満ちている。そこに、初期作にはなかった「芯の太い優しさ」が足されており、より安定感が加わった。画面の端々から、ソフィア・コッポラというクリエイターの確かな歩みが感じ取られることだろう。

『オン・ザ・ロック』を観る


『オン・ザ・ロック』は10月2日(金)より全国にて公開、23日(金)よりApple TV+にて世界配信。

<提供:東北新社>
《SYO》

物書き SYO

1987年福井県生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌の編集プロダクション、映画WEBメディアでの勤務を経て、2020年に独立。映画・アニメ・ドラマを中心に、小説・漫画・音楽・ゲームなどエンタメ系全般のインタビュー、レビュー、コラム等を各メディアにて執筆。並行して個人の創作活動も行う。

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