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女性の視点も描いた『羅生門』的手法に注目集まる『最後の決闘裁判』ヴェネチアでワールドプレミア

名匠リドリー・スコット監督『最後の決闘裁判』が第78回ヴェネチア国際映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門に出品が、ワールドプレミアにマット・デイモンとベン・アフレック、ジョディ・カマーらが参加した

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『最後の決闘裁判』ワールドプレミア@第78回ヴェネチア国際映画祭 (C) 2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.
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  • 『最後の決闘裁判』(C)2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.
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名匠リドリー・スコット監督が、アカデミー賞脚本賞受賞『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』のマット・デイモンとベン・アフレックが24年ぶりにタッグを組んで参加した脚本を映画化した『最後の決闘裁判』。第78回ヴェネチア国際映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門に出品されている本作が、現地時間9月10日にワールドプレミアを迎えた。


>>『最後の決闘裁判』あらすじ&キャストはこちらから

ヴェネチアの地に、マットとベン、ジョディ・カマー、脚本家のニコール・ホロフセナー、そしてリドリー・スコット監督が水上バスで華やかに登場すると、大きな歓声が沸き起こり、彼らは多くのファンの声援に答えサインや写真撮影に笑顔で応じた。

事前に行われた記者会見には、世紀の決闘裁判に挑む騎士カルージュを演じたマット、騎士たちの運命を揺さぶる主君ピエール伯を演じたベン、女性が声を上げることのできなかった時代に立ち上がり、裁判で闘うことを決断した勇気ある女性マルグリットを演じたジョディ、マット&ベンと共に脚本を担当したニコール、スコット監督が登壇。

本作は、史実としていまだに真相不明なフランス最後の決闘裁判を、事件を告発した被害者マルグリット(ジョディ・カマー)、被害者マルグリットの夫カルージュ(マット・デイモン)、訴えられた容疑者ル・グリ(アダム・ドライバー)の、3つの視点で描く三幕構成になっている。会見では、ある出来事が登場人物3人の視点で描かれる『羅生門』的手法が用いられている構成に触れられ、すでに作品を観た記者たちからの質問には、マットとベンがマイクの取り合いをするほど熱のこもった質疑応答となった。

原作(エリック・ジェイガー「決闘裁判 世界を変えた法廷スキャンダル」)の映画化を検討し始めたマットは、「読んですぐにリドリー・スコット監督のことが頭に浮かびました。リドリー以外にこの時代のものをうまく表現できる監督はいないんじゃないかと思ったんです」と語り、マットから連絡をもらったリドリーは「マットが取り憑かれたように『羅生門』の話をしていたんです。一つの行為が三つの視点で語られることをね。私がこの作品に惹きつけられたのはそれが理由です」と明かす。

さらにベンは「マルグリットのキャラクターに惹かれました」と言い、「観ている人に共感が生まれてほしい物語ですし、私たちも違った見方が必要だということを思い起こさせることができればと願っています」と語り、現代的なテーマへ一石を投じる側面があることを明かした。

実際に執り行われた“決闘裁判”ながら歴史的には男性側の視点でしか記録や資料が残されておらず、これまで抜け落ちていたマルグリットの視点を描くために、女性の脚本家が必要だと考えたマットとベンは、『ある女流作家の罪と罰』の脚色でアカデミー賞にノミネートされたニコールをチームに招いた。さらにマルグリットを演じるジョディにも積極的に脚本会議に参加してもらい、意見を募ったという。

ジョディは「脚本では3つのシーンで3つの同じセリフが書かれているけれど、すべてはそれをどう演じるかにかかっています。微妙なニュアンスや表現の違いを観客の皆さんに感じ取って欲しいです。私は同じセリフを言う、それを相手が全く違う態度で受け止める。それがこの3人の脚本家たちがこの映画にもたらした力だと思います」と、共にマルグリットという女性を作り上げたからこその思いを語った。

マルグリットの脚本パートを担当したニコールも、「私が書こうとしたのは、彼女が経験したようなことが身の上に起こったとしても、人間であるならどう行動するかということ」と、マルグリットの行動が現代にも通じることをうかがわせた。

レッドカーペットでは、多くのゲストやマスコミ、沿道のファンからの大歓声に包まれる中、世界中から集まった多くのスチールカメラマンの要望に応え、マットやベン、そしてシックな黒のドレスに身を包んだジョディ、スコット監督が明るい笑顔を見せた。

また、ワールドプレミアの上映前には、今年度よりヴェネチア国際映画祭と「カルティエ(Cartier)」が創設した、優れた映画製作者に敬意を表し、現代の映画業界にとりわけ独創的な貢献をした人物に贈る「Cartier Glory to the Filmmaker Award(カルティエ グローリー トゥ ザ フィルムメーカー アワード)」を受賞したスコット監督の受賞セレモニーも行われた。

なお、ワールドプレミアが行われた9月10日は、70年前の1951年9月10日に第12回ヴェネチア国際映画祭において『羅生門』が日本映画初となる金獅子賞を受賞した日。必然とも言える日の記念すべきプレミア上映となったようだ。

『最後の決闘裁判』は10月15日(金)より全国にて公開。

《シネマカフェ編集部》

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