3人の視点で語られる『最後の決闘裁判』、真実を訴え続けた女性の信念に迫る

マット・デイモンとベン・アフレック、ジョディ・カマー、アダム・ドライバー共演の実話ミステリー『最後の決闘裁判』は、史実には残されなかったひとりの女性の声が物語の本質となっている。

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『最後の決闘裁判』(C) 2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.
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  • 『最後の決闘裁判』(C) 2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.
  • 『最後の決闘裁判』ワールドプレミア@第78回ヴェネチア国際映画祭 (C) 2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

マット・デイモンベン・アフレックが脚本家として24年ぶりにタッグを組んだ話題の実話ミステリー『最後の決闘裁判』が、10月15日(金)より公開。マットとベンはキャストとしても共演し、さらにジョディ・カマーアダム・ドライバーという最旬の豪華俳優が集結した。

決闘裁判とは、一向に解決を見ない争いの決着を神にゆだね、命を賭けた決闘で解決する方法。勝敗は戦いの強さによって決まるのではなく、真実を知っているのは神だけであり、その神が“正しい者“を勝利へと導く。いわば究極の裁判=神判として、中世ヨーロッパで正式な法手続きとして広く認められていた。だが、本作で描かれるのは、決闘裁判の理由になったひとりの女性が語る“真実”。史実には残されなかった、実在の女性の勇気ある声が物語の本質となっている。

“真実”はどこへ…世紀のミステリー映画化に
実力派キャスト&スタッフが集結!


舞台は14世紀のフランス、英仏の“百年戦争”の真っ只中に起き、いまだ歴史家たちの間で物議を醸しているミステリアスな史実が基になっている本作。マットとベンからメガホンを託されたのは、『エイリアン』シリーズや『ブレードランナー』で知られる一方、初監督作品『デュエリスト/決闘者』からアカデミー賞受賞『グラディエーター』、『ロビン・フッド』『キングダム・オブ・ヘブン』などまで数々の歴史作品にも定評のあるリドリー・スコット監督。荒々しく迫力のある合戦シーンや、中世の古城のもの侘しい雰囲気、庶民の暮らしぶりまでも窺える徹底したリアリズムは今作でも顕在だ。

主人公の1人で、権力と地位を求めて戦いに向かう騎士ジャン・ド・カルージュを演じるのが、『オデッセイ』でスコット監督と組んだマット。その親友で、臣下でもあった従騎士ジャック・ル・グリを、『スター・ウォーズ』シリーズほか『パターソン』『ブラック・クランズマン』『マリッジ・ストーリー』など才気溢れる製作陣からのオファーが絶えないアダムが演じ、カルージュの若く美しい妻マルグリットには、『フリー・ガイ』や人気海外ドラマ「キリング・イヴ/Killing Eve」で注目を集めるジョディが抜擢。そして、カルージュよりもル・グリを寵愛する領主ピエール伯をベンが演じ、かつてない顔ぶれが揃った。

さらに、当時10代だったフランス国王シャルル6世を「このサイテーな世界の終わり」のアレックス・ロウザーが演じるほか、「キリング・イヴ/Killing Eve」シーズン3でジョディと共演したハリエット・ウォルター、「チェルノブイリ」のアダム・ナガイティスら、海外ドラマの実力派キャストが脇を固める。

親友同士のマットとベンにとっては、共同で脚本を手がけ第70回アカデミー賞脚本賞に輝いた出世作『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』以来24年ぶりの共作・共演。その2人が再び紡いだ『最後の決闘裁判』は、1つの事件を3人の視点から描き出す3幕構成で、黒澤明監督の『羅生門』から強く影響を受けたことを明かしている。

“真実”のために権力に立ち向かい、
声をあげた女性マルグリット


決闘裁判の発端は、マルグリットが夫カルージュの留守中、夫の親友で面識のあったル・グリから暴行を受けた、と告発したことから始まる。騎士カルージュは自身の名誉のために妻の言葉を信じ、フランス国王も同席する法廷で訴えるが、ル・グリは一貫して無実を主張。“真実”の行方は生死を賭けた1対1の決闘裁判へと委ねられる。もし夫カルージュが敗れれば、マルグリットも偽証の罪で命を落とすことになってしまうのだ。

当時の女性たちは、政敵との関係構築・修復、家名の存続や貧困などを理由に、自分の意思など関係なく政略結婚させられ、男性の所用物のように扱われていた。また、カルージュの訴えやル・グリの主張など2人の男性については歴史的な記録や史料が残っていても、肝心のマルグリットに関するものはほとんどなく、原作となったノンフィクションの著者エリック・ジェイガーによれば、何世紀もの間、彼女の勇気ある告発が「誤解」や「虚言」だったと考える専門家が少なからずいたという。語る者の立場が違えば“真実”が歪められて伝えられていくのは、現代にも相通じることだ。

そこでマットとベンは、2人でカルージュとル・グリの視点の脚本を担当し、歴史上抜け落ちていたマルグリットの視点は女性脚本家ニコール・ホロフセナーに託した。ニコールは、女子刑務所の多様性を描いたNetflixオリジナルドラマ「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」シーズン3ほか、映画『おとなの恋には嘘がある』では監督も手がけ、『ある女流作家の罪と罰』でアカデミー賞脚色賞にノミネートされた実績を持つベテラン。彼女の参加によって、たとえ屈辱や好奇の視線にさらされ、誹謗中傷を受けようとも、声をあげて闘うことをやめなかったマルグリットという女性がスクリーンに立ち上がることになった。

さらに暴行シーンに関しては、近年、海外作品で多く導入されているインティマシー・コーディネーター(身体の接触があるシーンを安全に撮影するためのコーディネーター)をスタッフに加え、製作陣は性犯罪に遭った人たちの連携組織からも助言を受けたという。

信念を持ったマルグリットを生み出した、
ジョディ・カマーに迫る


正義や夫の名誉のためではなく、何よりも自分自身の尊厳と名誉のために声をあげたマルグリット。「多くの女性たちがこの映画を見てくれるでしょうから、そこは気遣いました。それは私にとっても大事なことでした」と、演じたジョディは第78回ヴェネチア国際映画祭の記者会見で語っている。

ジョディといえば、今年公開されたライアン・レイノルズ主演『フリー・ガイ』で超絶クールなゲームキャラ:モロトフ・ガールと現実世界の冴えないプログラマー:ミリーを演じ分けていたことも記憶に新しく、海ドラファンには「キリング・イヴ/Killing Eve」のぶっ飛んだ暗殺者ヴィラネル役でおなじみ。

韓国リメイクされ大ヒットした「夫婦の世界」の原案になったBBCドラマ「女医フォスター 夫の情事、私の決断」(2015/2017)では勝気な不倫相手を演じ、日本リメイクされた「サーティーン/13 誘拐事件ファイル」(2016)にも出演。同作では13年間、拉致監禁されていたサバイバーの女性を熱演し、絶賛された。また、アダムが出演していた『スター・ウォーズ』シリーズにおいても重要な役でカメオ出演しており、苦悩や問題を抱えながらも自分なりの信念を持ち、気骨のある難しい役どころの女性を演じ続けてきたのだ。

今作でのジョディはマットやベン、ニコールと脚本会議に参加し、彼女自身が「どうしたいのか、どう感じるか」意見を出して話し合い、「それをとても大事にしてもらった」という。3幕構成で、当事者の視点ごとに3度同じシーンが描かれる本作において、「微妙なニュアンスや表現の違いを観客の皆さんに感じ取って欲しいです。私は同じセリフを言う、それを相手が全く違う態度で受け止める。それがこの3人の脚本家たちがこの映画にもたらした力だと思います」と、共にマルグリットという女性を作り上げたチームを称えている。

その上で、ほんのわずかな感情の揺らぎさえ見事に表現するジョディが演じたからこそ、マルグリットが直面した“真実”が際立ってくる。ラストシーンのその瞬間まで、観客は彼女から目が離せなくなるはずだ。

『最後の決闘裁判』公式サイト

『最後の決闘裁判』は10月15日(金)より全国にて公開。

<提供:ウォルト・ディズニー・ジャパン>

《text:Reiko Uehara》

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