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【ネタバレあり】「キャシアン・アンドー」7話:モン・モスマら女性たちの闘いとアルダーニの余波

「キャシアン・アンドー」7話は、アルダーニ要塞基地大金強奪の余波が描かれた。モン・モスマにもそのニュースは届き、何より、パルパティーン皇帝は大変“お怒り”で、帝国保安局:ISBの権限を恐ろしく広げ、銀河帝国の締めつけをいっそう強めることに

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『キャシアン・アンドー』(C)2022 Lucasfilm Ltd.
『キャシアン・アンドー』(C)2022 Lucasfilm Ltd.
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  • 「キャシアン・アンドー」(C)2022 Lucasfilm Ltd.
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「スター・ウォーズ」最新作となるオリジナルドラマシリーズ「キャシアン・アンドー」。その折り返しとなる7話「声明」(Announcement)が配信、前回でキャシアン・アンドー(ディエゴ・ルナ)たちが仲間を失う犠牲を払いながら何とか成功させたアルダーニ要塞基地からの大金強奪の余波が描かれた。

惑星コルサントにいる、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』で反乱軍のリーダー的存在となった元老院議員モン・モスマ(ジェネヴィーヴ・オライリー)はもちろん、キャシアンが育った惑星フェリックスにもそのニュースは届いていた。何より、パルパティーン皇帝はこの件に大変“お怒り”で、帝国保安局:ISBの権限を恐ろしく広げ、銀河帝国の締めつけをいっそう強めることになる「声明」を出した。


アルダーニの件が帝国のファシズムをさらに推し進めた


『ローグ・ワン』や『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』以降で目にしてきた帝国の圧政は、キャシアンも加わったアルダーニの一件が発端になっていたのだ。だが、銀河中に伝わった“蜂起の英雄”となったチーム7人のうち、生き残ったのはクレムことキャシアンを入れて3人だけ。誰よりも大義に賭けていたネミック(アレックス・ロウザー)も命を落としてしまった。恋人同士であるヴェル(フェイ・マーセイ)シンタ(ヴァラダ・セス)は離れ離れに。アルダーニに残ったままのシンタは、帝国のスター・デストロイヤーが到着する様子を目にしている。

テロによる強盗事件などと報道しながら、面目丸つぶれの帝国は容赦のない報復措置に出た。反乱者たち(パルチザン)をかくまえば厳しい税徴収が待っている。“アルダーニの目”の日に狙いすました計画だったことも面白くないのだろう。各地独自の習わしや祭り、伝統行事などをも統制しようとする。

さらにパルパティーン皇帝の「声明」によれば、ISBは監視、捜索、逮捕を独断で行えるようになり、軍部の資源や情報を自由に利用できるという。公序再判決指令、略して再判令(PORD)でこれまでの実刑判決はすべて見直され重罰化、未納の罰金や税金は全額徴収。さながらISBは、ナチスの屋台骨であったゲシュタポのようだ。

だが、ISBのデドラ・ミーロ(デニース・ゴフ)は、アルダーニの事件は反乱者たちの「宣言」(Anouncement)だと認識していた。秘かに、過去2年の銀河中の帝国軍基地と修理施設を対象にした航空電子機器や通信機の紛失を調べさせていたデドラは、確固としたデータをつかんだらしい。会議でパータガス少佐(アントン・レッサー)に進言すると初めて評価されたが、まだまだ何か起きそう。デドラは常に先を見ている。

一方、強奪作戦成功の報を聞いたルーセン・レイエル(ステラン・スカルスガルド)は笑いが止まらない。状況を案じて彼の店を訪れたモン・モスマには、「革命は金がかかる」「後戻りはできない」と釘をさした。帝国が恐怖を蔓延させれば、その分、憎悪や反抗心も増幅していく。ルーセンは、それを反乱の原動力にしようとしている。アルダーニの件に背中を押された多くの普通の市民たちが蜂起し命を落としても、大義のもとでは致し方ない、というのだ。ヴェルと接触した彼のアシスタント、クレヤ(エリザベス・デュロー)も同じ考えだ。

モン・モスマは食事会に乗じて、旧友テイ・コルマ(ベン・マイルズ)に協力を請う。「もう帝国にはうんざり」「少し過激な思想の持ち主かも」とどこまで本気なのか、それとも警戒のためなのか、そんなことを言う彼に、モン・モスマは世間一般の自分のイメージは礼儀正しいが優柔不断、チャリティーに一生懸命な“イラつく女”だと話す。だが、それは偽りの姿であり、隠れ蓑。“石を見せつけて巧妙にナイフを隠す”パルパティーン流を彼女なりに実践していると言い、自分も「少し過激な思想の持ち主」と同じ言葉を返している。テイ・コルマは信用できる人物だろうか、いずれ分かる。

ちなみにこの7話では、パルパティーンの名前が2度も出てきた。シリーズでパルパティーン皇帝ことダース・シディアス役を演じてきたイアン・マクダーミドは、先日「東京コミコン」での来日が決まったばかり。もし、今後「キャシアン・アンドー」に登場するようなことがあれば、大いに盛り上がるだろう。


逃げたキャシアンには新たな展開が…


そんな中、キャシアンはフェリックスに舞い戻り、旧知の2人の女性に別れを告げることになる。1人はキャシアンの養母マーヴァ・アンドー(フィオナ・ショウ)。今回、彼の養父であったクレム・アンドー(ゲイリー・ビードル)がどのように亡くなったのか、その凄惨さが明らかになった…。人種差別や優生思想を嫌というほど感じさせる場面だ。

それ以来13年間、身を潜めて生きてきたマーヴァはアルダーニ要塞基地への襲撃と強奪を知り、もう逃げずに戦い抜くことを決める。マーヴァ役を演じるのは、『ハリー・ポッター』シリーズや近年では「キリング・イヴ/Killing Eve」で知られるフィオナ・ショウ。繊細かつ、鬼気迫る演技を見せている。

マーヴァは基地襲撃の“勇敢な英雄”の1人が、目の前にいる息子だとは夢にも思っておらず、キャシアンも打ち明ける気などない。面倒なことには巻き込まれたくないのがキャシアンだ。幼馴染みでかつての恋人でもあったビックス・カリーン(アドリア・アルホナ)との別れ際にも、これまでも逃げ続けてきたことを非難されていた。

大金を持って逃げても、もはや安らげる場所などないのに、キャシアンはあえて自身の心の奥底を覗かないようにしている。案の定、リゾート地のような惑星ニアモスでふとしたことから帝国に捕まってしまい、再判令(PORD)により収監されることに(おそらく脱獄するのだろうが…)。『ローグ・ワン』にも登場したショア・トルーパーとキャシアンの“親友”K-2SOと同じ型のエンフォーサー・ドロイド(監視用ロボット)が登場すると、キャシアンの人間くさい部分が見えていた。

また、ニアモスではかつてないほど軽快で開放的な音楽が、緊迫のスパイ&ポリティカル・サスペンスの雰囲気を一変させた。『ムーンライト』や「キング・オブ・メディア」などの音楽を手掛けてきたニコラス・ブリテルが、「スター・ウォーズ」の世界観で本領発揮してきた感じがたまらない。

折り返しとなった7話は、冷戦時代のロシア人スパイ夫妻を主人公にした「ジ・アメリカンズ」のステファン・スカフが脚本、監督は「ザ・クラウン」「SHERLOCK/シャーロック」などのベンジャミン・カロンという布陣。カロン監督は終盤の11話、12話も手掛けるらしく、コルサントでの政治的な攻防が主となるのかも。8~10話までの3話分は、1~3話で手腕を発揮したトビー・ヘインズが再びメガホンをとる。

「キャシアン・アンドー」は毎週水曜、ディズニープラスにて独占配信中。


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《上原礼子》

「好き」が増え続けるライター 上原礼子

出版社、編集プロダクションにて情報誌・女性誌ほか、看護専門誌の映画欄を長年担当。海外ドラマ・韓国ドラマ・K-POPなどにもハマり、ご縁あって「好き」を書くことに。ポン・ジュノ監督の言葉どおり「字幕の1インチ」を超えていくことが楽しい。保護猫の執事。LGBTQ+ Ally。レイア姫は永遠の心のヒーロー。

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