寓話的でありながら共感を覚える一作、ジャン・レノがアンドロイド役を好演「伝えたかった、アイラブユー」

フランス発ドラマ「伝えたかった、アイラブユー」が、いよいよ日本で配信される。ジャン・レノ演じるミシェル・ソレルが、長年疎遠になっていた娘との関係を修復するため、彼女のもとへ等身大のアンドロイドとして、“死後”やってくるというストーリーだ。

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「伝えたかった、アイラブユー」© Jean-François Baumard / TCC /STUDIOCANAL.
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死んだはずの父がアンドロイドになって戻ってきた…! そんなユニークな設定に思わず引き込まれるフランス発ドラマ「伝えたかった、アイラブユー」が、いよいよ日本で配信される。ジャン・レノ演じるミシェル・ソレルが、長年疎遠になっていた娘との関係を修復するため、彼女のもとへ等身大のアンドロイドとして、“死後”やってくるというストーリーだ。

一見、奇想天外な設定をハートフルな物語として紡ぎあげたのが、フランスNo.1ベストセラー作家として知られる、マルク・レヴィ。軽快なストーリーテリングとファンタジックなひねりを加えた作風が特徴で、2020年には「アメリカで最も読まれたフランス人作家」となった。自身の持ち味をフルに生かした本作では、脚本以外にも製作・出演を果たしている。

アンドロイドをチャーミングに演じる! ジャン・レノの新境地


物語のポイントは、大きく2点。父ミシェルの記憶を受け継いだ、彼のDNAが刻み込まれている精巧なアンドロイドが、娘ジュリアと6日間の旅をする点。生前は関係性のよくなかったジュリアとの仲をアンドロイドの父が取り戻していく、「人生のセカンド・チャンス」が丁寧に描かれている。もう1点は、父の手によって引き離されていたジュリアの初恋の彼とのほろ苦い思い出を、アンドロイドとたどっていく物語でもあるということ。本編でそのドラマをかみしめてほしい。

アンドロイドこと父であるミシェルを演じるのは、フランスの名優ジャン・レノ。日本でも大ヒットを記録した『ニキータ』や『レオン』などで知られるジャン、何でもござれの彼が、等身大のアンドロイドに挑戦。これまでジャンが演じたロボットと言えば、トヨタ自動車のCMでの「ドラえもん」が記憶に新しいが、まったく違う毛色となった。

彼は、この風変わりな役に挑戦するにあたり、できる限り自然に、深く考えたり装ったりすることなく演じるように努めたという。娘と少しずつ縮まる距離を、人間味と機械の要素を絶妙なバランスで盛り込みチャーミングに演じたジャンの新境地にも注目だ。

「もしも」を具体化してくれた、誰もが共感を覚えるドラマ


葬儀を終えたばかりの亡き父がアンドロイドになって戻ってくるなんて、夢にも思わない話だ。しかも、本人の記憶・性格・見た目はそっくりそのままで。娘のジュリアも当然、一朝一夕には信じられないが、まるで本物の父のごとくの傍若無人なふるまい、話しぶりから「これは…」と受け入れていく。そのナチュラルな芝居に、1話目からスッと入り込んでしまう。

過去に愛する人と無理やり引き離された経験から、生前は距離を取り微妙だった関係の父娘。しかし、アンドロイドから「仲直りしよう」と提案され、ふたりは互いを知る6日間の旅に出る。そんなふたりの旅は、やがてジュリアの“初恋”を父と共に探す旅へと移り変わる。

まだ若き10代のジュリアが夢中になったジャーナリストの青年との恋。現代と10代、ふたつの舞台を軸に物語は繰り広げられていく。フランスのパリ、ベルギーのブリュージュ、ドイツのベルリン、スペインのマドリードと、ヨーロッパを代表する4つの美しい都市をめぐりながら、道中に巻き起こる様々なアクシデントを通して、ジュリアは父の本音、自分に取っていた態度の真意を汲み取るのだ。

積年の溝が少しずつ埋まり、親子関係の修復がなされていくほどに切なくなる、6日後の別れの予感。話数を重ねるごとに父娘への気持ちがあふれ、ラストへの思いが募っていく。

本作を観ていると、痛烈に感じることがある。自分にとって大切な人間と二度と会えなくなったとき、悔いの残らない別れができた人はこの世にどれほどいるのだろうか、と。「これだけは伝えたかった」、「どう思っていたのか、教えてほしかった」、苦しい思いが頭をもたげる人が、大多数ではないだろうか。

だからこそ、「アンドロイドになって、もし気持ちを伝えられるなら」という「もしも」を具体化してくれた本ドラマの世界観に、寓話的と思いながらも共感を覚えるのだ。ありえないと思う反面、「こうであったらいいのに」と思わず願う本作は、私たちの心の隙間も温かく埋めてくれる。


「伝えたかった、アイラブユー」公式サイト
(C) Jean-François Baumard / TCC /STUDIOCANAL.

<提供:スターチャンネル>
《text:赤山恭子》

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