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オスカー受賞の衣装デザイナー、スピルバーグ監督の“母”は「驚くほど個性的で独特」『フェイブルマンズ』

スティーヴン・スピルバーグ監督『フェイブルマンズ』で衣装デザインを担当したアカデミー賞受賞衣装デザイナー、マーク・ブリッジスが制作秘話を明かした。

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『フェイブルマンズ』© 2022 Universal Pictures. ALL RIGHTS RESERVED.
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  • 『フェイブルマンズ』© 2022 Universal Pictures. ALL RIGHTS RESERVED.
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  • 『フェイブルマンズ』ポスター © Storyteller Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.

スティーヴン・スピルバーグが贈る初の自伝的作品『フェイブルマンズ』で衣装デザインを担当したのは、『アーティスト』と『ファントム・スレッド』でアカデミー賞を2度受賞した衣装デザイナー、マーク・ブリッジス。本作を手掛けるにあたり、スピルバーグ監督の家族アルバムに目を通し、一家の古いホームムービーを見ることから仕事に着手したと明かした。


>>『フェイブルマンズ』あらすじ&キャストはこちらから


これまで『ファントム・スレッド』をはじめポール・トーマス・アンダーソンの全作品ほか、コーエン兄弟やデヴィッド・O・ラッセル、ポール・グリーングラスなど様々な名監督とタッグを組んできたマーク・ブリッジス。

スピルバーグ監督とは初のコラボとなった本作の衣装デザインについて、「アイデアとしてあったのは、家族のライフストーリーを描くために独自に調査を行って、過去の出来事や個人的な情報を全て手に入れ、その断片を使うことだ。そして筋書やキャラクターに忠実になるよう、脚本上必要な場合には、芸術的な意味で自由になることだった」と語り、衣装をデザインするうえでその人自身の情報を反映させることがキーポイントとなったという。

また、撮影の当初、スピルバーグ監督から伝えられた“西へ向かうフェイブルマン一家の歩みとムードの変化に合わせてカラーパレットを変えたい”という要望にも応じるよう工夫を凝らした。

「50年代初頭のニュージャージーでは、マルーン(くり色)、ネイビー、フォレストグリーン、ディープブラウンといった、よりクールなトーンに決めた。それから、アリゾナではもっと明るくした。はっきりとはわからないかもしれないが、そう感じるだろう。そして一家が北カリフォルニアに移り、サミーが混乱する時期がやってくる頃には、トーンはより暗く淡い色合いになる」と緻密な表現で監督の期待に見事に応え、ベテランデザイナーとしての手腕を発揮した。

主要人物以外のキャラクターの衣装デザインにも携わったブリッジスだが、やはりスクリーン上の“スピルバーグ一家”の衣装が最も重要だったとふり返る。中でも、生まれながらに勇敢で個性的なキャラクターを持つスピルバーグの母、リア・アドラーをモデルにしたミッツィ・フェイブルマン(ミシェル・ウィリアムズ)の衣装をデザインすることは、ブリッジスにとって恵まれたチャンスであると同時に大きな挑戦でもあった。

「最初のミーティングでスティーヴンが述べたように、リアは驚くほど個性的で独特なセンスの持ち主だった」とブリッジスも語るように、リアのスタイルは赤い口紅、ピーターパンカラーの襟、オーバーオールといった特徴的なものだった。そんな彼女の衣装は演じるミシェルと共に輪郭を作り上げ、色彩や全体の雰囲気をさらに洗練させるなど微調整が行われた。

そして、実際のリア自身はあまりジュエリーを身に着けなかったのに対し、ミッツィのアクセサリーにはスピルバーグの実妹アンから貸与されたリア本人のジュエリーが使われている。本エピソードについてブリッジスは「ミシェルにポジティブなエネルギーを与えてくれるし、演出をするスティーヴンにとってもいいアクセントになればと思った」と説明、演者や監督を思う彼の優しさと作品へのこだわりがうかがえる。

さらに、スピルバーグの分身となる主人公サミーの衣装について、特に楽しかったのは幼い頃の衣装のデザインと、随所にさり気なくイースター・エッグを取り入れようと試みたことだという。

「スティーヴンの家族アルバムで見つけた、彼の幼少期のルックスを再現するのは面白かったね。母親は彼にとても面白い格好をさせていて、時にはサスペンダーを付けたりしていた。それからオーバーサイズのジーンズにツートーンカラーの靴。ハワイアンシャツについては、今でも彼のお気に入りのようだね」と、当時のスピルバーグ家のルックスを本作へとうまく落とし込んだブリッジス。

登場人物たちの演技はもちろん、こうしたクオリティの高い衣装の数々も本作の完成度の高さにひと役買っているのは間違いない。

『フェイブルマンズ』は3月3日(金)より全国にて公開。

《シネマカフェ編集部》

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