※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

坂本龍一が音楽を通じて伝え続けてきたものとは…ドキュメンタリー『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』に注目

「TBSドキュメンタリー映画祭」から、2023年3月に逝去した音楽家・坂本龍一の活動に密着した『坂本龍一WAR AND PEACE教授が遺した言葉たち』に注目。

映画 邦画ニュース
注目記事
『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』 (C)TBS
『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』 (C)TBS
  • 『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』 (C)TBS
  • 『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』 (C)TBS
  • 『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』 (C)TBS
  • 『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』 (C)TBS
  • 『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』 (C)TBS
  • 『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』 (C)TBS
  • 『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』 (C)TBS
  • 『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』 (C)TBS

テレビやSNSでは伝えきれない事実や声なき心の声を発信し続けるドキュメンタリー作品に出会える場として、2021年より開催されてきた「TBSドキュメンタリー映画祭」が、今年は東京・大阪・京都・名古屋・福岡・札幌の全国6都市にて3月15日(金)より順次開催。

3つのテーマに沿って選出された15作品が一挙上映される中、2023年3月に逝去した音楽家・坂本龍一の活動に密着した『坂本龍一 WAR AND PEACE教授が遺した言葉たち』に注目した。

知的好奇心を刺激するオリジナリティ溢れるラインアップが目白押しの同映画祭。その最大の特徴は、“どれもTBSドキュメンタリー班が手掛けている”ということ。日々のニュース番組のほか、「情熱大陸」や「ドキュメンタリー解放区」など、系列局で放送しているドキュメンタリー番組にも精力を注ぐTBSだからこそ、番組で伝えきれなかった“熱い想い”が存在する。それを伝えるためにできたのが「TBSドキュメンタリー映画祭」だ。

なかでも『坂本龍一 WAR AND PEACE教授が遺した言葉たち』は日本のみならず、世界的に名を遺した偉大な音楽家・坂本龍一が音楽を通じて伝え続けてきたものに迫る。坂本さんに長らく密着してきたTBSだから生み出すことができた、プレミアムな1作の公開に先駆け、なぜ坂本龍一は人を惹きつけるのか、なぜいま本作が必要なのだろうか。

▼音楽家・坂本龍一とは…

1952年、父は書籍の編集者、母は帽子デザイナーというクリエイティブな家庭で生まれた坂本龍一。叔父の影響で幼いころからレコードを聴いて育った坂本さんは、3歳でピアノを習い始め、10歳で東京芸術大学教授に師事し作曲を学び始める。新宿で過ごした高校時代には音楽・映画など様々な店に出入りし、さらに幅広い分野のカルチャーにどっぷりとハマったという。

東京芸術大学に進学後、スタジオ・ミュージシャンとしての活動を開始。その後ソロや「KYLYNバンド」のメンバーとして活動しながら、メンバーとして参加した音楽グループ「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」で脚光を浴び、一躍人気ミュージシャンに。

やがて作曲家、ピアニスト、編曲家、音楽プロデューサー、アーティストなど様々な顔を見せ活躍の幅を広げた坂本さんは、持ち前の独創的な音楽性で国内外から絶大な支持を集め、1987年には日本人で唯一アカデミー賞作曲賞を受賞。映画音楽でも世界的に評価された。先日行われた第47回日本アカデミー賞では、「永年にわたり映画界に多大なる貢献と顕著な実績をしるした故人」に対して授与される会長特別賞にも選出された。

インターネットなどの最新技術にも興味を示し、ライブや作品にも積極的に取り入れるなど、常に第一線で活躍を続けてきたが、昨年3月、惜しまれながらもその生涯を閉じることとなった。昨年12月には、最新テクノロジーをいち早くライブ演出に取り入れてきた坂本さんを尊び追悼の意を表す「坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア」が開催され、さらに今年の春には、坂本さんがこの世を去る前、最後に行ったピアノソロコンサートを映像化した映画『Ryuichi Sakamoto | Opus』が公開予定とされるなど、いまもなお圧倒的な存在感を放っている。

▼社会活動家の一面も。音楽家・坂本龍一だからこそできたこととは?

アーティストとして、クリエイティブ面で多大な功績を残してきた坂本龍一。“教授”の愛称でも親しまれる坂本さんは、実は社会活動にも関心が高く、晩年は環境や憲法に関する運動にも積極的に参加していたことでも知られている。その始まりは、学生時代まで遡る。高校時代から学生運動に関わり、バリケード封鎖を決行していたこともあるという坂本さん。

音楽家として活動するようになってからも、自らの信念に真っすぐ向き合う姿勢は健在で、アーティストの権利を守るための働きかけを行ったり、自身の最大の武器である音楽を通じて社会にメッセージを発信したりするなど、生涯にわたって社会活動も精力的に行った。

特に知られている活動のひとつが、坂本さんの呼びかけで集まった国内外の有名アーティストによる音楽ユニットN.M.L.(NO MORE LANDMINE)による楽曲「ZERO LANDMINE」。「地雷をゼロに」という想いが詰まったこの楽曲は、TBS開局50周年の特別企画が発端となり実現したもので、細野晴臣、高橋幸宏、桜井和寿、TAKURO、TERU、吉田美和、デビッド・シルヴィアン、シンディー・ローパー、「クラフトワーク」など豪華すぎる顔ぶれも話題となった。同プロジェクトの収益は地雷除去のために使われている。

また、2001年9月11日に起きた「アメリカ同時多発テロ事件」を間近で目撃した坂本さんは、戦うことの愚かさを改めて実感したといい、一般人から反戦にちなんだセリフを募集し作品にまとめた。そのほかにも、2011年3月11日の「東日本大震災」で被災した子どもたちのために「東北ユースオーケストラ」を結成したり、気候変動にちなんだ楽曲を手掛けたり、数多くのチャリティーコンサートを開催したりと幅広く活動。社会活動において、“音楽家”ならではの功績を残したのが、坂本龍一である。

▼ドキュメンタリー映画『坂本龍一 WAR AND PEACE教授が遺した言葉たち』

そんな坂本さんの姿を追い続けてきたTBSが、その貴重な映像を映画として一挙大放出。天から与えられた“音楽”という唯一無二の武器を手に、「世の中をより良くしよう」「次の世代の人々のため」と精力的に活躍してきた坂本さんの軌跡がたっぷりと収められた、プレミアムな映画となっている。

本作を手掛けたのは、TBSの報道番組「筑紫哲也 NEWS23」でディレクターとして坂本さんを担当してきた金富隆。現在はプロデューサーとして、戦争や社会問題等を扱う番組を多数手掛けている。金富氏は坂本さんについて、「例えば9.11の時はご自宅が現場の近くで、ツインタワーの崩落などを目撃していた。その瞬間にそこにいたというのは、ある種の運命かもしれないし、戦争と平和への思索を深めた、ひとつのきっかけだったのかもしれない」と語る。

「一番(心に)残っているのは、“届く言葉を探さないといけないんだ”という言葉。坂本さんは“自分が正しいと思うことを、ただ語るだけでは、人は耳を傾けてくれない。届く言葉を探っていかなければいけない”と何度も仰っていた」と坂本さんへの取材をふり返り、9.11、アフガン侵攻、イラク戦争と焦臭さを強めていった2000年代の世界で、社会への発信を強めていった坂本さんの足跡を知ることができるのが、映画『坂本龍一 WAR AND PEACE教授が遺した言葉たち』なのだと語る。

緊迫の情勢が続くいまだからこそ、きっと作品の中に収められた坂本さんの姿が、観客の心を動かすことになるだろう。

『坂本龍一 WAR AND PEACE教授が遺した言葉たち』を含む「TBSドキュメンタリー映画祭2024」は3月15日(金)より東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか、大阪、京都、名古屋、福岡、札幌にて順次開催。

「TBSドキュメンタリー映画祭2024」開催概要
東京= 会場:ヒューマントラストシネマ渋谷|日程:3月15日(金)~3月28日(木)
大阪= 会場:シネ・リーブル梅田|日程:3月22日(金)~4月4日(木)
名古屋= 会場:センチュリーシネマ |日程:3月22日(金)~4月4日(木)
京都= 会場:アップリンク京都|日程:3月22日(金)~4月4日(木)
福岡= 会場:キノシネマ天神|日程:3月29日(金)~4月11日(木)
札幌= 会場:シアターキノ|日程:3月30日(土)~4月11日(木)


ぼくはあと何回、満月を見るだろう
¥1,881
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《シネマカフェ編集部》

関連記事

特集

【注目の記事】[PR]

特集

page top