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【インタビュー】坂本真綾「その思いが大事」“家族の絆”への共感と新たな発見『ファンタスティック4』

マーベル映画に新しい風が吹く――。7月25日ついに『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』が日米同時公開。

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坂本真綾
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  • 『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』(C) 2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL.
  • 『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』© 2025 20th Century Studios / © and TM 2025 MARVEL
  • 『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』© 2025 20th Century Studios / © and TM 2025 MARVEL
  • 『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』© 2025 20th Century Studios / © and TM 2025 MARVEL
  • 『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』© 2025 20th Century Studios / © and TM 2025 MARVEL
  • 『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』 ⓒ 2025 20th Century Studios / ⓒ and ™ 2025 MARVEL.
  • 『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』(C)2025 Getty Images/Getty Images for Disney

「家族であろうとする想い」が大事


──演じられたスー・ストームへの印象も教えてください。

特にスーはみんなに頼られる存在だったり、知性の部分で交渉だったり、いろんな人との話をまとめる役をやっているけど、今回は一人の女性として「出産」という体験をしていく中で、守りたいものが増えるんです。その中で何を優先させるのか。彼女の場合は「人類を守る」というすごく大きな使命があって、そこに共感するのはおこがましいかもしれないけど、私自身も出産や育児を経験しながら仕事をしていく中で、今まで天秤にかけたことがないような大事なものをかけなきゃいけない瞬間がきたり、悩むことも多かったりしたので、そういう体験をしたことがある人にとっては自分ごとに思えると思います。家族か仕事かの狭間で葛藤する気持ちはいろんな方に共通するものだと感じました。

──同じく出産や育児を経験されている坂本さんだからこそ、スーに共感したこと、または新たに役を通して得られた発見などはありますか?

スーはもともと強い女性だけれど、母親として子供を守りたいと思う気持ちは他の時に湧いてくるエネルギーとは違うところから湧いてくるものだと思っていて。守りたいものが増えるってことはそれがウィークポイントになりかねない、弱みになってしまう部分もあると思うのですが、そこに対して彼女自身もおそらく感じたことのない…「どこから湧いてくるんだよ」ってエネルギーが加わって立ち向かう力に変えていっていると思うんです。「私にこんなエネルギーどこにあったの? 自分も不思議」ってことは母親になって感じることでもあるので、得体のしれない力というか。そこはわかるなって思いました。あと、必ずしも何かを選ぶってことは何かを犠牲にしなければいけないってことでもないんじゃないかって思わせてくれる場面があって、そこはすごく心強いなと思いました。

──坂本さんご自身もスーと同じように忙しい中で育児もされていますが、普段どのように乗り越えているんですか?

試行錯誤がずっと続いていて、「これだ」って答えは未だにありませんが…今しかできないことがある、ってずっとわかっていたつもりなんですけど、やはり子供って日々あっという間に大きくなっていくんですよね。仕事だったら「じゃあこれは一旦来年か再来年にまたチャレンジしよう」って思ったことがあっても、子供って来年、再来年には別の生き物になっているくらいスピード感のある、変わってしまっていく存在なので、今この瞬間を見逃したらもう二度と見られないものを毎日見ている。だからちょっと大変だなって思う時には「でも、この大変ささえ懐かしく思える日が来ちゃうんだなぁ」って思うようになりました。

長く仕事していると、もちろん仕事にも発見や変化がありますし、自分の頑張りでなんとか成り立ったり、自分の準備でなんとかしていったりってできるけど、子供って「こうしたらこうなる」って方程式がないので、仕事とは違う脳みそを使わせてもらっている。良い脳トレ、みたいな気持ちになるようにはしています(笑)。

──本作の「家族の揺るぎない絆」というテーマについての印象は?

チームにはもちろん血が繋がっていないメンバーもいるけど、長く時を共にしてきて、お互いにヒーローであろうがあるまいがそばにいる人としての絆があり、そうして一緒に過ごしてきたからこそ大きな局面で信じ合えるっていうのは、すごい強みだと思いました。

それと同時に、姉弟は別だけど夫婦って他人じゃないですか。“家族になることにも努力がいる”というか、その絆を守ることにも努力が必要で、「家族だから、絆があるから盤石」ってことはないと思うんです。多分彼ら自身も世界を守るという大きなプレッシャーを毎日感じる中で、本当の自分のままでいられる場所ってすごく必要なんだろうなと思って。この“家族”という“場所”をとても大事にしている彼らだからこそ、ここまで強い絆があるんだなと感じました。

ただ単純に「家族の絆っていいよね」って話だけでなく「家族であろうとするその思いって大事だよね」って思える。一言で言うと「家族」なんだけど、もっと繊細なもので結ばれているチームだなって感じました。ベンがそこにいられるっていうのも、メンバーの理解やお互いの尊重があってこそだし人間的に互いを高め合える家族の姿がとても素敵でした。

──本当にその通りですね。ちなみに、スー以外のメンバーの印象は?

みんなすごくいい人なんですけど、やっぱりリードは正義感が強くて真面目で、家族のことも大事にしてくれる。でも冷静さというか、その正しさがちょっと女性目線だと理屈じゃない部分を共有するのが難しい、理性ではない感情の部分をどうやって共有するんだろうって思ってしまうというか(笑)。だからスーとリードの二人はすごくそういうところをうまく埋め合わせているんだなと感じました。リードのちょっと不器用なほどの生真面目さは、ちょっと時々イライラしながらも(笑)、支えてあげたくなる繊細もあって魅力のある男性だなと思いました。

──坂本さんご自身は普段、夫婦のそういった“違い”などに対してどんなふうに向き合うのでしょう?

自慢できるようなことは何もなくて(笑)。ただ、スーの「どんなに感情が昂っても相手を責めるようなことは絶対に言わない」姿は、見ていて勉強しなきゃいけないなというか、だから上手くいっているんだろうなって感じました。感情任せで何かを言うことがないのがスーの偉いところだし、彼女から得た学びですね。

──チームをまとめるのが「家族としての揺るぎない絆」だとして、坂本さんにとっての「揺るぎないもの」とは何でしょう?

先ほど言った「家族だからって」というのはやはりお互いを思いやる気持ちがないとダメで、「ヒーローだとしても家族を思いやる気持ちのない人に世界を思いやることはできないよ!」みたいなことを今回感じたんですけれど(笑)。もっとミニマムに言えば、やはり自分自身を思いやれないと、家族のことも思いやれないっていうのは最近思っていることです。

揺るぎないってことはないんですけど、自分で自分がなんか上手くいかないなって思ったり、なんか最近すごく疲れているなって思ったりする時って、自分自身を大事に扱っていない時で、それってすごくしんどいんですよね。だから、「疲れている時こそ自分へのケアを」って最近よく聞きますけど本当にそうだなと思います。そうでありたいと思っているというか、実は一番忘れがちな自分のことも大事にして、その結果家族のことも大切にして、もっと広い範囲の誰かを思いやれる人になりたいって“想い”は揺るぎないです。難しいけれど、そうやって難しいことをお互いにやっていくことが、コミュニティなのかなと感じます。


《ANAIS(アナイス)》

映画コラムニスト&ライター ANAIS(アナイス)

フリーランス。映画評やコラム、インタビュー記事などポップカルチャーについて書いたり動画で話したりします。不器用な人間が出てくる作品に弱い。恐竜とビールが好き、幽霊と蜘蛛は怖い。

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