2024年アカデミー賞国際長編映画賞ペルー代表作品『少女はアンデスの星を見た』が12月20日(土)から公開されることが決定した。
<夜明けに輝く星>という意味の“ヤナワラ”と名付けられた少女の母親は出産時に亡くなり、父親もまた落雷で亡くしていた。落雷のショックでヤナワラは言葉を発しなくなったが、雄大なアンデスの山々と動物たちに囲まれ、祖父エバリストの愛情のもと、健やかに成長していった。

やがて、思春期になった孫娘に教育を受けさせたいという思いから、エバリストは新任の教師に読み書きを教えてもらおうと、共同体唯一の小さな学校に連れて行った。それは生活を豊かにする機会に思えたが、教師から受けた暴力によってさらなる悲劇が重なっていく。
悪しき精霊に囚われ、現実世界では苦しめられ、暴力を受けたヤナワラ。祖父のエバリストは愛する孫娘を痛ましく恐ろしい運命から救いたい一心で、共同体全体に影響を与える究極の決断を下す…。

本作は、オスカル・カタコラ監督の長編デビュー作『アンデス、ふたりぼっち』に続いてアカデミー賞国際映画賞ペルー代表作品に選出された。オスカル・カタコラ監督は、国内外で高く評価され、将来を期待されていたが、高地での過酷な撮影のなか、本作撮影中に病魔に襲われ、突然亡くなってしまう。そのオスカル・カタコラ監督の意志を引き継いだのは、長年コンビを組み、プロジェクトに応じて監督、脚本、プロデューサーなどの役割を交互に務めてきた叔父のティト・カタコラ監督だった。
オスカル監督の急逝の後、ペルー南部プーノ県エル・コジャオの山頂コントゥリリ地区にて、標高4000メートル近い過酷な撮影環境を乗り越え完成させた。

舞台は1980年代のペルー・アンデス地域。80歳のドン・エバリスト(セシリオ・キスペ)は、13歳の孫娘ヤナワラ(ルス・ディアナ・ママミ)の殺害容疑で共同体の裁判所に告発され尋問を受けていた。審問が進むにつれ、ヤナワラは、ある性的暴力を受けた影響で、アンデスの禁忌地に棲む悪霊の出現を引き起こし、恐ろしい幻覚を見るようになっていたことが明らかになる。
今なお、アンデスの山々に潜む共同体意識と伝統的な信仰を背景にした、少女の悲劇的な物語があぶり出されていく。

ヤナワラを演じたルス・ディアナ・ママミは、撮影地のコントゥリリ地区でスカウトされ、主役に抜擢された。エバリスト役のセシリオ・キスペもまた友人の紹介での起用となった。2人とも本作が初めての演技となる。
ルス・ディアナ・ママミは、2024年の国際ガールズ・デーにおいてユネスコと協力し、「私たちには、まだ多くの障害が立ちはだかっている。差別、暴力、質のある教育そして、私たちの声への無関心。私たち少女は自分たちの権利の擁護者になりたいし、なれるのです」というメッセージを述べた。

この度解禁されたポスタービジュアルは、アンデスの山並みを背景にルス・ディアナ・ママミ演じる、ヤナワラの悲しげな横顔が印象的な1枚。ヤナワラにこれから待ち受ける過酷な運命を感じさせるものとなっている。
『少女はアンデスの星を見た』は12月20日(土)より新宿K's cinemaにて全国にて順次公開。

