オリヴィア・コールマンとベネディクト・カンバーバッチ主演『ローズ家~崖っぷちの夫婦~』が10月24日(金)に公開。本作で妻のアイビー・ローズを演じているオリヴィア・コールマンからコメントが届いた。
本作は1989年に公開され大ヒットを記録した『ローズ家の戦争』を、ジェイ・ローチ監督&トニー・マクナマラ脚本によって再映画化。『女王陛下のお気に入り』のオリヴィア・コールマンと、『ドクター・ストレンジ』のベネディクト・カンバーバッチが初共演で夫婦を演じており、公開前から大きな話題となっている。

そんな2人が演じる夫婦は離婚目前、豪邸の所有権をめぐってバスルームにカニを投げ入れたり、顔面にオレンジを投げつけたり、さらには書類に火をつけて渡したり、銃まで持ち出して嫌がらせの範疇を超えるレベルの“命懸けの夫婦喧嘩”を繰り広げる。
本作への出演を決めた理由を、ベネディクト・カンバーバッチは「この映画では、彼女がオリヴィア・コールマンの“最悪バージョン”を演じられるからだと思う」と笑顔で明かした。「彼女のそんな様子を観察することをとても楽しんだよ。私たち二人とも、それを通して間接的にスリルを味わったんだ」というと、オリヴィア・コールマンも「そう、お互いを憎み合うのは本当に楽しかった。誰かにひどいことをするというのは、ある意味セラピーのようなもので、後でそのことを笑い飛ばすのは気持ちがいい」と言い、長年の関係があるからこその仲の良さを感じさせている。

特に注目なのが、作中に描かれる夫婦関係の“リアルさ”だ。なかでも、オリヴィア・コールマンが演じる妻・アイビーは、ロンドンの高級レストランで働いていたものの、夫・テオと情熱的な恋に落ち、専業主婦となる。その後、子どもたちが大きくなってテオからプレゼントされた小さなレストランで料理をふるっていた彼女は、あることをきっかけに一躍料理研究家として活躍し始め、野心とともに事業を拡大していく。しかし、一方で家族とはすれ違っていき、次第に彼女は不満を爆発させる!という、まさに現代の女性たちが多く抱える仕事と家庭の両立の問題をリアルにとらえている。

そんなアイビーについて、オリヴィア・コールマンは「アイビー・ローズは最高、彼女は本当に自由奔放な精神の持ち主」と熱く語る。「彼女はシェフで、ユーモアがあり、良い友達がいて、情熱的で愛に満ちていて、良い母親でもある。アイビーとテオが出会うと、それは爆発的なものになるの。その後、彼らは子供を授かり、すべてが少しずつ上手くいかなくなってしまう」と夫婦の危機を語る。
「アイビーが主に育児を担い、彼女のキャリアは後回しにされていく。アイビーとテオはどちらも自分の分野で非常に優秀だけど、キャリアと家庭生活のバランスを取ることは彼らにとって難しい」。そんなリアルな夫婦関係を演じたオリヴィア・コールマンだが、実は「準備不足だった」というほど何も準備をしていないという。「トニー・マクナマラの脚本を読めばすべてわかる。やることがすべて書かれてる。長く人と付き合う大変さもわかる。(カンバーバッジと)二人で突き進むだけ。何も考えなくてよかった」とその理由を明かす。

ベネディクト・カンバーバッチも「コールマンは感情豊かな俳優だ。どんな複雑な役も演じきってしまう。登場人物の奥底まで表現できる。自然体で役作りをするんだ。大げさな準備がなくても役に入れる」というように、作中のアイビーはまさに自然体で演じられているからこそ家族を愛し、仕事に野心を燃やし、家庭と仕事の両立に悩み、夫に不満をぶつける、まさに共感性の高いキャラクターとなっている。
そんな問題にリアルに直面している夫婦や恋人たちへ、オリヴィア・コールマンは「まずは真摯に向き合うこと。それからお互いに関心をもって感謝を伝えて優しくする」「ぜひ映画を見て笑ってほしい。パートナーの手を離さないで」とアドバイスを送っている。

一度は愛を誓った夫婦でありながら両者一歩も譲らない、まさに“命がけの夫婦喧嘩“を描いた本作は、食欲を刺激しまくる料理や斬新な建築デザインなどハイセンスなビジュアルも見どころ。誰もが自分と重ねながら、愛する人との時間を思い出さずにはいられない、この秋最高のコメディムービーとなっている。
10月24日(金)よりTOHOシネマズ日本橋、新宿ピカデリーほか全国にて公開。


