ミケランジェロ・アントニオーニ監督の『砂丘』が、3月13日(金)より、全国順次公開されることが決定。ティザービジュアルと日本オリジナルの特報が解禁となった。
1960年代末、アメリカに渡り、人類の未来を幻視した壮大な黙示録『砂丘』(1970)。2026年の公開は1996年のレイトショー再公開からちょうど30年ぶりとなる。
1960年代末、ロサンゼルス。学生集会での虚しい議論に嫌気が差したマークは、拳銃を手に学内で弾圧行為に及ぶ警官隊に一人立ち向かう。だが発砲のチャンスを逸して逃走、飛行場でセスナを奪い大空に飛び立った。
一方、L.A.の不動産会社で秘書として働くダリアは、会議に参加するため車で広大な砂漠を横断していた。偶然出会った2人は不毛の地、「死の谷」にある<ザブリスキー・ポイント>に辿り着く。2人がそこで視たものとは…。
あらゆるものを無に帰す広大な砂漠の風景、国家権力の暴力と政治的無力感、大量生産/大量消費を煽る広告と看板の氾濫、そしてそれら全てを一気に吹き飛ばす映画史上最大の大爆発――。
本作は1960年代の反体制カウンターカルチャーの破壊、空洞化した近代社会の疎外感と、そこに生きる人間たちの虚無、そして超大国アメリカの現実と未来をイタリアの巨匠が幻視した壮大な黙示録である。

主演はアントニオーニが理想のイメージに合うキャストを求めて2年、ついに街中でスカウトした新人マーク・フレチェットとダリア・ハルプリン。
音楽は「ピンク・フロイド」を筆頭に、「グレイトフル・デッド」のジェリー・ガルシア、「カレイドスコープ」、ジョン・フェイヒー、「ローリング・ストーンズ」、「ヤングブラッズ」のロック、サイケデリック、フォークなど様々な楽曲が効果的に使われている。
自由を描いたアメリカン・ニューシネマの代表格『イージー★ライダー』(1969)がアメリカの神話を作ったとするならば、同じく自由を扱った本作はその神話を解体した作品だ。
ベトナム戦争のさなか、異邦人ミケランジェロ・アントニオーニが描いたアメリカのヴィジョンはアメリカ本国をはじめ、世界中で賛否両論を巻き起こしたが、初公開から半世紀以上を経て様々な再評価の声が高まっている。
このたび解禁となったティザービジュアルは、アメリカ初公開当時のデザインを使用。<死の谷>の乾いた大地で主演の男女が戯れる写真に星条旗のデザインを施した巨大な原題ロゴが配置され、タイトルの前には<アントニオーニの>と堂々と監督名が謳われている。「死の谷で、夢を見た」のコピーは、今回の劇場公開用の新たなコピーとなっている。
同時に解禁となった特報は、「ピンク・フロイド」の「51号の幻想 - Come in Number 51, Your Time Is Up」の不穏なフレーズとともに<死の谷>の風景から始まるが10秒経たずに音楽が爆発、L.A.の街並みと連なるハイウェイ、無限の砂漠、巨大広告看板、果てしない道などアントニオーニが見た超大国アメリカの姿が映し出され、カラーテレビジョンの無音の爆発で締め括られている。
『砂丘』は3月13日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。


