IUがふと見上げ、ビョン・ウソクが静かにかがんで視線を合わせる——『21世紀の大君夫人』(Disney+で日本配信中)をきっかけに、韓国ドラマにおける“身長差”の魅力が改めて注目されている。並んだだけで空気が変わるあの感覚に、なぜ人は心を動かされるのだろう。その理由をひもときながら、「身長差にときめく」作品を紹介する。
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身長差にときめく理由
理由はシンプルだ。身長差は関係性を一瞬で伝える。「見上げる」「見下ろす」という視線の上下は、「守られる」「包まれる」といった感覚を直感的に呼び起こし、ハグで胸にすっぽり収まる構図は、そのままロマンチックなファンタジーとして浮かび上がる。
韓国ドラマは、この距離の見せ方が巧みだ。立ち位置やカメラワークによって身長差を際立たせ、王子様とヒロインの物語を自然に成立させる。日常ではなかなか得にくい守られている安心感を、視覚的に疑似体験させてくれる装置ともいえる。ちなみに、約21cmがときめきやすい黄金比とされる説があり、演出的な目安として語られている。
“身長差”にときめくおすすめ作品
『21世紀の大君夫人』(2026)
立憲君主制が続いているという設定の現代韓国を舞台に、財閥でありながら、「平民」という身分に縛られるヒジュ(IU/162cm)と、王の息子でありながら自由に生きられないイアン大君(ビョン・ウソク/190cm)が出会い、互いの利害関係から契約結婚へと進むロマンティック・コメディ。

IU×ビョン・ウソクの最強カップルが配信前から大きな話題になり、現代韓国に王室が残る設定の華やかさも見どころの一つ。約28cmの身長差は、並ぶだけで「大きな男と華奢なヒロイン」というわかりやすい構図を完成させ、見上げる視線と、かがんで応じる仕草や視線のやりとりが感情の距離まで伝える。
『ソンジェ背負って走れ』(2024)
事故で希望を失ったソル(キム・ヘユン/160cm)が、トップスターのソンジェ(ビョン・ウソク/190cm)を救うため過去へタイムスリップするファンタジーロマンス。約30cmの身長差は、撮影現場でも工夫が必要とされるが、画面では自然なときめきに変わるのが興味深い。

キム・ヘユンはこれまで、ロウンやイ・ジェウク、テギョンなど長身俳優との共演が多く、インタビューで「箱を使ったり、つま先立ちで調整したりするうちに、箱がなくてもあるように演じられるようになった」と語っている。
『偶然見つけたハル』(2019)
自分が漫画の世界の脇役だと気づいた女子高生ダノ(キム・ヘユン/160cm)が、同じ漫画の世界で名もなきエキストラだったハル(ロウン/192cm)と出会い、漫画の設定に抗いながら運命を変えようとする学園ファンタジー。

約32cm差が、まさに少女漫画の一コマ。抱き上げる、並んで歩くなど、すべてのツーショットが視覚的なロマンスとして機能。自転車の二人乗りや何気ない立ち姿でも、「長身の王子様と華奢で体の弱いヒロイン」の対比が際立ち、作品に説得力を与えている。
ダノのフィアンセ役を演じたイ・ジェウクも188cmと高身長なため、オフショットでは高身長な2人に挟まれるキム・ヘユンが「(背が高すぎて)声がよく聞こえない!」と上目づかいでふざけ合う愛らしさが話題に。
『力の強い女 ト・ボンスン』(2017)
生まれつき怪力を持つヒロイン、ト・ボンスン(パク・ボヨン/158cm)が、ゲーム会社CEOミンヒョク(パク・ヒョンシク/184cm)のボディーガードとなって巻き起こるラブコメディ。ハグやおでこへのキス、子犬のように甘え合うシーンなどでは身長差がさらに甘さを引き立てている。

韓国では長身の女優が多い中、比較的小柄なパク・ボヨンは、『君の結婚式』(2018)『アビス』(2019)『恋するムービー』(2025)など、出演作ごとに身長差が生むときめきを自然に引き出している。
『雲が描いた月明かり』(2016)
朝鮮王朝を舞台に、世子ヨン(パク・ボゴム/182cm)と、男装して内官として宮中に潜り込んだラオン(キム・ユジョン/164cm)の恋を描く宮廷ロマンス。男として生きるラオンがヨンとの関係を深める中で、権力闘争に巻き込まれていく。
約18cm差は大きすぎず、それでも演出的には十分に効いている。パク・ボゴムの小顔効果もあってか、「若く頼もしい世子×守ってあげたくなる小柄な内官」という構図をさらに際立たせる。同じ身長差でも、ラオンの男装と女装の切り替えにより、恋愛の緊張と甘さが変化するのが面白い。
かつての韓国ドラマでは、大きな身長差のある組み合わせは、画面バランスの難しさから敬遠されることもあった。それが今では、関係性を瞬時に伝える有効な演出として積極的に用いられている。身長差は関係性を映し出し、視聴者の感情を増幅させる装置だ。だからこそ私たちは何度でも、その一瞬にときめいてしまうのだろう。
※俳優の身長は公表プロフィール等を参照。
(文=田名部 知子/Xで気ままなソウルの日常を発信中:@t7joshi)
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