ドラマ『21世紀の大君夫人』(Disney+で日本配信)が全12話の幕を下ろした。しかし、放送終了と時を同じくして歴史歪曲の疑惑が拡散し、不名誉な幕引きを迎えることとなった。
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5月16日に放送された最終回は、立憲君主制を廃止し、平凡な夫婦としての日常を生きていくイアン大君(演者ビョン・ウソク)とソン・ヒジュ(演者IU)のハッピーエンドで幕を閉じた。しかし、放送終了を前に同作をめぐる歴史歪曲の論争がさらに大きな注目を集め、波紋が広がっている。
「韓国が戦犯国家?」序盤から指摘されていた設定の不備
これまで同作は、やや粗いストーリー展開と設定で一部の視聴者から不満を買ってきた。
21世紀の韓国が立憲君主制になった背景自体の説得力に欠けるという指摘とともに、一部では「韓国が戦犯国家になったのでは」という推測も出た。劇中で描かれた身分制度などが、朝鮮王朝よりも日本の皇室に似ているという理由からだった。
実際の朝鮮王室において、王を産んだ大妃(国王の母)の地位は大君(王の嫡出の兄弟)よりも高い。

しかし、大妃であるユン・イラン(演者コン・スンヨン)がいるにもかかわらず、幼い王の摂政をイアン大君が務めているという点はもちろん、大妃がイアン大君の前にひざまずいて哀願するシーンは、朝鮮王朝に根ざしている韓国の立憲君主制であれば「決してあり得ないこと」だという指摘だ。
「東北工程」論争にまで…中国の属国扱いへの怒り
このような中、第11話の放送後には「東北工程(中国による国家プロジェクトの一つ)」の論争まで拡散した。
イアン大君の即位式で、独立国家の象徴である「万歳(マンセ)」ではなく、諸侯国が皇帝国に隷属した際に使用する「千歳(チョンセ)」を叫んだ点、そして自主独立国家の皇帝なら12連の玉飾りがついた「十二旒冕冠」を被るのに対し、イアン大君は皇帝の臣下である諸侯を意味する「九旒冕冠」を着用した点などが問題となった。朝鮮時代の設定を中途半端に持ち込んだことから生じた致命的なミスというわけだ。

これに対しネット民たちは、韓国が自ら諸侯国を自任するような描写は、ともすれば韓国の歴史が他国の属国であるかのような誤った認識を植え付けかねないと懸念を示した。
さらに、ヒロインのソン・ヒジュが中国式の茶道に従った点、王妃になっても韓服(ハンボク)の代わりに洋服を着続ける点などについては、「意図的に韓国の歴史を貶めようとしているのでは」という反応まで飛び出した。
制作陣が謝罪…音声削除、台本集の修正対応も
論争が拡大すると、ついに制作陣側は公式コメントを発表し、謝罪の意を伝えた。
制作陣は公式サイトを通じて「愛情を持ってドラマを見守ってくださった視聴者の方々に、世界観の設定と歴史的考証の問題でご心配をおかけした点を心よりお詫び申し上げる」とし、「朝鮮の礼法が歴史の中でどのように変化したのかを細かく調べられなかったために発生した事案」と謝罪した。
続けて「本作はロマンス作品であると同時にオルタナティブ・ヒストリー作品の性格を持つドラマであり、架空の世界と現実の歴史的脈絡が交差する部分について慎重かつ深い検討が必要だったが、精巧に世界観を整え、より綿密に調べる努力が不足していた。視聴者の皆様のお叱りを謙虚に受け止め、今後の再放送およびVOD、OTTサービスにおいて該当部分の音声と字幕をできるだけ早く修正する」と約束した。

これに伴い、5月16日に放送された第11話の再放送では、「千歳」と叫ぶ音声が消去された。また、出版を控えている台本集も一部の表現が修正される予定。出版社側は制作陣と協議のうえ、以後の印刷分には該当表現を修正・反映すると発表している。
「廃棄しろ」冷ややかな世論と残された後味の悪さ
このような措置にもかかわらず、世論は依然として冷ややかだ。すでに作品全体の設定そのものに問題があり、グローバルOTTを通じて配信された以上、「千歳」という表現を一つ修正しただけで解決する問題ではないということだ。
一部から「作品を廃棄しろ」という声が大きくなっているのはそのためである。
結局『21世紀の大君夫人』は、300億ウォン(約34億円)の莫大な制作費と豪華キャストに後押しされ、視聴率2桁の記録やDisney+で「世界で最も多く視聴された韓国シリーズ」となるなど興行には成功した。
しかし、その裏には「歴史歪曲」と「東北工程」という痛ましいレッテルが貼られ、後味の悪い退場を迎えることとなった。
(記事提供=OSEN)
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