日本で唯一の米国アカデミー賞®公認国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)」が、今年もリアル会場とオンラインを組み合わせたハイブリッド形式で5月25日(月)より開催されます。
世界100以上の国と地域から応募された約5,000作品から、ショートフィルムの目利きであるプログラマーが厳選した約250作品が登場。才能あふれるクリエイターたちによる日本初公開作品や、この映画祭でしか見られない作品など、今年も短い時間に凝縮された多種多様なストーリーを体験できる貴重な機会です。
SSFF & ASIAは、未来の映画作家たちにとって“オスカーへの切符”となりうる場所。優秀賞に輝いた作品は、アカデミー賞短編部門のノミネート候補となります。ここで観た一本が、未来の映画界を担う才能の出発点になるかもしれない、まさしく“次世代のスター”に出会える映画祭なのです。
注目は「カリナリープログラム:食の記憶」と「アートプログラム」。思わずお腹が空いてしまいそうな“食”にまつわる作品から、気鋭の作り手による圧倒的な世界観に引き込まれる映像体験まで、多彩なラインナップが揃いました。
気になるテーマからのぞいてみれば、きっとショートフィルムの自由さと奥深さに驚かされるはず。
ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA) 公式サイト
📌今年の映画祭のテーマは?
カメラ、照明、音響、そしてAI。それらを緻密に組み合わせ、観客の心に届く体験を組み立てる――今年の映画祭はそんな「設計学」としての映画に光を当て、「シネマエンジニアリング」をテーマに開催。動画が溢れ、アルゴリズムに消費される現代だからこそ、「映画体験」の真の価値とは何かを一緒に考えていく。
AIが表現の壁を取り払い、「縦型」が新たな視覚言語として確立されたいま、世界中からクリエイターが集い、次世代の映像の在り方を探究する。

📌注目作をピックアップ
世界中から集まったショートフィルムが映画祭に集結。その中から、ドキュメンタリーからアニメ、韓国オムニバスホラーなど編集部注目の作品を厳選してご紹介。
何から観ればいいか分からない――そんな方もぜひ参考にしてみてください。
『エンボディーング・パゾリーニ-引き寄せの法則』
🎞️映画自体がもうひとつのパフォーマンスのよう
👑受賞・ノミネート歴:DOC NYC ニューヨーク・ドキュメンタリー映画祭 2025 (アメリカ) ショート部門 オフィシャルセレクション

映画は記録芸術である。では、そこに刻まれた魂を目の前に出現させることは可能か?
俳優ティルダ・スウィントン、ファッション史家・アーティストのオリヴィエ・サイヤールによるパフォーマンス「Embodying Pasolini」に迫ったドキュメンタリー。
『ソドムの市』(1975年)などで知られるピエル・パオロ・パゾリーニの映画のため製作された衣裳29点が、長年の封印を解かれて舞台上に現れる。そして、“主人を失った服”の中に変幻自在の役者スウィントンが入り込むと、時空や記録を超え、映画の魂が再び息づき始める――。

リハーサルや舞台裏を捉えた撮影の切れ味も鋭く、この映画自体がもうひとつのパフォーマンスのよう。
『Embodying Pasolini: Law of Attraction』
Jack Hsu / 0:09:48 / 台湾 / ノンフィクション / 2025
『エンボディーング・パゾリーニ-引き寄せの法則』作品ページ
『11時11分の願い事』
🎞️エグゼクティブ・プロデューサーにケイト・ブランシェット
👑受賞・ノミネート歴:HollyShorts 2025 (アメリカ) AAPI賞 ノミネート

2009年、まだスマートフォンが普及しておらず、人気のSNSはFacebookだった時代のアメリカ。16歳のパキスタン系アメリカ人少女ノーリは、ひょんなことから憧れの少年ジェフにフラれてしまう。11時11分、「ジェフの“タイプ”になりたい」と願ったノーリは、みるみるうちに肌が白くなり、白人の少女へと変わってしまった。
ポップで軽やかなティーン・ロマンティック・コメディながら、社会の格差や構造のなかで己を偽ってしまう痛みと、アイデンティティを守り抜くことの難しさを痛烈に描いた。俳優ケイト・ブランシェットがエグゼクティブ・プロデューサーを務めた、注目株マフルーヌ・ユーセフ監督作。
『11:11』
Mahnoor Euceph / 0:15:27 / アメリカ / コメディ / 2025
⚠️mature マチュア・コンテンツ
『11時11分の願い事』作品ページ
『mopim(ムパン)』
🎞️ほぼ全編をバーチャルプロダクションで撮影
👑受賞・ノミネート歴:第10回岩槻映画祭 入選

100歳の老女・栗田節は、家族もなく、病室で孤独な最期を迎えようとしていた。そこに、黒装束の男が“お迎え”に現れる。神様からの最後の贈り物として、若い姿に戻り、望む場所へ行けるというのだ。節が選んだのは、80年前、戦地へ向かった亡き夫に伝えられなかった言葉を届ける旅だった……。
目を閉じるだけで時間と空間を超えるファンタジー。ほぼ全編にわたり、壮大な映像をCG合成ではなく、大型LEDディスプレイに背景を投影するバーチャルプロダクション(スクリーンプロセス)で撮影した。

映画祭の応募傾向としても増えているという、最先端の製作技術をうかがえる一編だ。出演は有村架純、オダギリジョー、泉澤祐希ほか。
『mopim(ムパン)』
水落 豊 / 0:11:42 / 日本 / ドラマ / 2025
『mopim(ムパン)』作品ページ
『新星ギャルバース』
🎞️90年代アニメへの愛情×ギャルマインド!

銀河の調和を守っていた聖なる星・マザープラネットは、謎の力によって爆発し、8888個の破片と散った。その意志は各地の惑星で思念体「ギャルバース」として新生する。惑星アマテラに不時着した少女ゼロは、侵略軍と戦う少年リングと出会い、やがて自らがギャルバースのひとりであり、宇宙の運命を握っていることを知る……。
NFTアート発の異色作にして、90年代アニメへの愛情×ギャルマインドが全開。キャラクターデザインや作画のタッチ、演出まですべてが懐かしく、遊び心たっぷりで、今ではなかなか見られないアニメの魅力を感じられる。

堀江由衣、大塚明夫、大谷育江、田村ゆかり、三石琴乃、関智一、能登麻美子らレジェンド声優陣の共演も聴きどころ。
『新星ギャルバース』
大平 彩華 / 00:22:12 / 日本 / アニメーション / 2025
⚠️mature マチュア・コンテンツ
『新星ギャルバース』作品ページ
『4時44分 恐怖の時刻』
🎞️K-POP界のプリンス”ことオンユ(SHINee)ら出演!Z世代に支持された韓国ホラー

毎日4時44分、アパートで怪奇現象が起こる。階間騒音や配達、ASMR、アプリといった日常の恐怖に呑み込まれた住民たちが次々と失踪し……。
1話あたり4分44秒×全8話の配信ドラマとして話題を呼び、44分の映画版として再編集された韓国発オムニバスホラー。

「建物が怖い」というホラーの王道に、ショート動画のテンポを掛け合わせた実験性と気軽さで、韓国では10~20代の観客から支持を受けた。意外にも抑制された恐怖演出に注目だ。出演者には“K-POP界のプリンス”ことオンユ(SHINee)のほか、ユ・ジエ(LOVELYZ)やイ・ソンヨル(INFINITE)など韓国エンタメ界の顔ぶれが結集した。
『4:44: Time of Fear』
Jong-gyun Park / 0:43:58 / 韓国 / ホラー / 2024
『4時44分 恐怖の時刻』作品ページ
『ラハフとバトゥール』
🎞️逃走劇のなかで明かされる、“本当に恐ろしい現実”とは…
👑受賞・ノミネート歴:ベイルート国際短編映画祭(レバノン) オフィシャルコンペティション/レッドシー国際映画祭(サウジアラビア) New Vision 部門/クレルモン=フェラン短編映画祭(フランス)Short Market Film Picks 2026

追い詰められた表情でトラックを走らせている姉妹。突然、携帯電話の着信音が鳴り響く。彼女たちを追っているらしい父親から必死で逃れようとする2人だったが、いきなり車が動かなくなった。現れた男は「車を修理するから休憩所まで送ってくれ」と頼み込んでくるが、姉妹は男を激しく警戒し……。
なぜ姉妹は逃げているのか、なぜ怯えているのか? 逃走劇のなかで真実が明かされるにつれ、物語を超えた“本当に恐ろしい現実”が浮かび上がるヨルダン発のスリラー。

ジャンル映画としての演出力の高さは冒頭から一目瞭然、美術・衣裳へのこだわりや洗練された撮影も光る名編だ。監督・脚本は、俳優としても活動する新鋭アイシャ・シャハルトゥー。
『Cleanse the Streets』
Aysha Shahaltough / 0:17:22 / ヨルダン / スリラー / 2025
⚠️mature マチュア・コンテンツ
『ラハフとバトゥール』作品ページ
※mature表記のある作品には、性描写・暴力描写などが含まれています。ご鑑賞の際は、ご注意ください。
「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2026」は東京会場5月25日(月)~6月10日(水)/オンライン会場6月30日(火)まで開催。
<「SSFF & ASIA2026」概要>
■開催期間:
5月25日(月)オープニングセレモニー
5月26日(火)~6月9日(火)東京会場
6月10日(水)アワードセレモニー
※オンライン会場は 5月25日(月)~6月30日(火)
(期間により配信プログラムが異なります)
■上映会場:MoN Takanawa: The Museum of Narratives(Box1000、Tatami、パークテラス)、赤坂インターシティコンファレンス、ユーロライブ、WITH HARAJUKU HALLほか
※会場により、期間、プログラムが異なります。
ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA) 公式サイト


