世界を席巻するブルーノ・マーズから「BTS」まで、影響が感じられるアーティストは数知れず。音楽だけでなく、様々なポップカルチャーにいまなお影響を与え続ける伝説の“キング・オブ・ポップ”、マイケル・ジャクソンの半生を描いた『Michael/マイケル』が6月12日(金)に公開される。
世界興収では、日本で135億円超えの大ヒットとなった『ボヘミアン・ラプソディ』の初動を大幅に更新し、世界累計興収7億ドルを突破する社会現象級の大ヒットを巻き起こしている(5月15日時点)注目の超話題作が、ついにマイケルも愛した日本に上陸する。
主人公のマイケルを“生き写し”以上の説得力で見事に演じているのは、来日で話題沸騰中、マイケルの実の甥であるジャファー・ジャクソン。本記事では、並々ならぬ覚悟と努力で“キング・オブ・ポップ”を演じ切った彼の演技とパフォーマンスに迫った!
記憶の中と同じマイケルが、スクリーンに! 実の甥ジャファー・ジャクソン、渾身の役作りから生まれた誰にも真似できない“説得力”
全世界10億枚超えのレコード売上、13のグラミー賞、30を超えるギネス世界記録を持ち、時代や国境を超え、音楽の枠まで超えて、いまなお多くのアーティストやファンに影響を与え続け、“キング・オブ・ポップ”の称号で呼ばれるマイケル・ジャクソン。
マイケルといえば、まず最初にどんなことを思い浮かべるだろう?
真っ赤なジャケットでゾンビたちと踊る「Thriller(スリラー)」のMV? 誰もが一度は真似をしてみたムーンウォーク? それとも、チンパンジーの“親友”バブルスくんを伴った来日や東京ディズニーランド貸切のスーパーセレブらしいエピソード? 3D立体映画アトラクション『キャプテンEO』での姿を記憶している方も多いかも。
あるいは、そのあまりにも早すぎた死や、家族との確執、裁判などにまつわる過熱報道や憶測だらけのゴシップ記事の数々だろうかーー。

2009年6月25日、その翌月からロンドンを皮切りに始まるワールドツアー「THIS IS IT」を控えるなかで伝えられたマイケルの突然の訃報。
あれから17年もの年月が流れたいま、マイケルの在りし日のステージ上での輝きや、あふれんばかりの才能と音楽史を塗り変えた偉業の数々を、リアルタイムで知らない世代であっても、その素顔とともに改めて触れることできるのが本作『Michael/マイケル』だ。
映画は、ジャクソン家の兄弟で結成した「ジャクソン5」の一員としてそのずば抜けた才能を見出された幼少期から、ソロアーティストとして世界最高のエンターテイナーを目指していく軌跡を辿り、ロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われた「バッド・ワールド・ツアー」(1988年)他、彼が頂点に上り詰めるまでの軌跡を描いている。

その人生を一体、誰が演じることができるの? マイケルを演じられる俳優なんて、いないんじゃ?
そんな余計な心配をよそに、何年にもわたるキャスティングの末に選ばれたのがジャファー・ジャクソン。「ジャクソン5」の一員だったマイケルの3番目の兄ジャーメイン・ジャクソンの息子で、マイケルの実の甥!
昨年US版予告が解禁されると、公開後24時間で1億1,650万回以上再生され、音楽伝記映画の予告編として史上最多の記録を達成。
その後も新映像が公開されるたびに、SNSには
「公開が待ちきれない」
「歌もダンスも鳥肌もの」
「史上最高の伝記映画になりそう」
といったファンの声とともに、
「本人が蘇ったみたい」
「声質や雰囲気が本人そっくり」
など、マイケル役を演じるジャファーも一躍、脚光を浴びることになった。

映画が公開されると北米の映画評では「ジャファー・ジャクソンの演技は、外見、声、電撃のような動き、そしてマイケルを形作った繊細さと強靭さの融合を完璧に捉えている」(VARIETY)と評されるほど。
実際、映画を観てみると、マイケルとジャファーのシンクロ率は想像以上。冒頭から、ライブ会場のステージへと向かう背中のショットの激似ぶりに「こ、これは!」と俄然期待が高まる。ふとした表情に宿る面影、ピュアで無邪気な笑顔、柔らかな声質などもそっくりで、受け継いだ遺伝子を目の当たりにする。
特に際立っていたのは、パフォーマンス中の立ち姿や振る舞い、誰もが脳裏に思い浮かべる特徴的なダンスだ。「スリラー」や「ビリー・ジーン」「BAD」といった大ヒット曲を次々披露するジャファーの姿には、全身が身震いするほど鳥肌が立った。
「夢みたい!」
紛れもなく記憶の中と同じマイケルが、スクリーンに現れていた。
それもそのはず、ジャファーは演技未経験だったものの、マイケルの存在をごく身近で感じてきた1人である。「子どもの頃、僕はマイケルに夢中だった。マイケルがかつて座っていたのと同じリビングルームで、テレビの前に座り、ツアー映像やビデオをひたすら見ていた」と、ジャファーはふり返る。
その上で彼が叔父マイケルになりきるために取り組んだのは、目指すもののためならば努力を惜しまないアーティストとしての情熱や、完璧主義のストイックな精神性までも理解し、演技に落とし込むことだった。
「鏡の中の自分を本当にマイケルとして信じられるようになるまで、2年にわたって毎日何時間も、一切手を抜かずにリハーサルを続けた」とジャファーは明かす。

ダンスに関しては、1996年の「HIStoryワールド・ツアー」からマイケルと一緒に踊り、ツアーに参加してきた振付チーム、リッチ・タラウエガとトーン・タラウエガ兄弟「Rich + Tone」(リッチ・アンド・トーン)から徹底的な指導を受けた。
“マイケルらしさ”の代名詞といえる、前を向きながら後ろに進む華麗なムーンウォーク、音楽に身を任せたスピン・ターン、コークスクリュー・キック、アクセントになるトー・スタンドなどを、ジャファーは完璧にマスター。
また、劇中で聴くことのできる“マイケルの歌声”は、撮影現場で収録したジャファー自身の歌声とマイケル本人の歌声を高度な音響技術によって融合させ、シーンごとにバランスを絶妙に調整して構成したもの。まさに2人の共同作業で作りあげられた奇跡の歌声となっている。

しかも、ジャファーは膨大な数のインタビューやプライベートのホームビデオから在りし日の叔父に触れ、吸収しようとしただけでなく、マイケルの旧宅で寝起きし、直筆のメモや功績に関する資料に加え、その時々に世界では何が起きていたのかを記した年表を壁一面に貼り出していたという。
音楽を通じてこそ、自分自身も分断と混沌の世界の一部であることを再確認し、孤独や苦悩を共有し合える。マイケルがソロ活動の中で一貫して追求し続けてきたメッセージを受け取りながら、彼の直筆メモを見つめるジャファーの姿を想像すると、1982年にマイケルが発表する“人類史上最も売れたアルバム”「スリラー」のタイトル曲を思案する劇中シーンと自然と重なってくる。

ジャファーが心身に刻み込んで積み重ねてきた役作り、その献身的な姿勢そのものが、マイケルが父ジョセフ・ジャクソン(コールマン・ドミンゴ)の抑圧を打ち破り、より自由に、よりダイナミックに、内側から湧き出る創造力を解放して音楽に昇華していく映画のストーリーとリンクするのだ。
そんなジャファーにマイケルと同じ“魂”を感じ取ったのが、自身もマイケルの音楽を聴いて青春時代を過ごしてきた、『トレーニング デイ』『マグニフィセント・セブン』『イコライザー』シリーズといったヒット作で知られるアントワーン・フークア監督。
「観客をマイケルの世界へ引き込むのは、ジャファーの徹底したリアリティ」と監督も断言する。

そして、映画は成功と栄光の影にあった、子どもらしい子ども時代を奪われた青年の孤独感や、強権的な父親の呪縛からも目を逸らさない。その後の人生を一変させ、早すぎる死のきっかけにもなったペプシCM撮影中の事故についてもきっちり描いている。おぼろげだったニュースの断片が、1つ1つ繋がっていくような感覚だ。
そんなジャファーが演じるマイケルから浮かび上がるのは、音楽のみならず、憧れ続けたピーター・パンの物語や、フレッド・アステアのミュージカル映画、チャールズ・チャップリンの喜劇映画、往年のホラー映画などを愛し、病に冒された子どもたちやありとあらゆる動物たちをも慈しむ、寂しがり屋で聡明な、繊細すぎた1人の天才の姿である。

さらにもう1人、「ジャクソン5」時代から観る者すべてを魅了した、幼少期のマイケルを演じるジュリアーノ・ヴァルディも必見だ。彼もまたSNSでのマイケルダンスカバーがバズった、若き天才アーティスト。
ステージでのパフォーマンスとスポットライトを全身で楽しんでいた純粋な喜びから一転、父ジョセフの暴力に怯える瞳や、愛を渇望する幼い魂を見事に表現しており、心を奪われずにはいられない。

映画館がまるでライブ会場に!? 劇場で体感すべき、マイケル・ジャクソン伝説のステージ
本作は、稀代のアーティスト、マイケル・ジャクソンの伝説はどのようにして生まれたのか、その音楽的偉業を象徴的なステージやMV撮影の裏側と共に追体験することができる、至高の音楽伝記映画だ。語り継がれる一夜が次々と蘇り、世界を変えた音楽が生まれるいくつもの瞬間をジャファーが完全再現する。
ムーンウォークを世界初披露したTV特番「モータウン25周年記念コンサート(Motown 25:Yesterday, Today, Forever)」のシーンは、同番組と同じ会場のパサデナ・シビック・オーディトリアムで撮影された。その日と同じスパンコールの衣装に身を包んだジャファーの姿に、ハッとなるファンは多いはず。

また、MV(ミュージックビデオ)を単なる音楽のプロモーションではなく、音楽によって物語を紡ぎ、1本のショートフィルムとして芸術的価値を高めたのもマイケルの功績の1つ。
「スリラー」からの第3弾シングル「今夜はビート・イット」のMVは、本物のストリートギャングたちが出演していたことで知られるが、ロサンゼルスで撮影された本シーンのエキストラにも実際のストリートギャングのメンバーが参加した。

恐怖とユーモアが共存した画期的な「スリラー」のMVも、オリジナルの撮影が行われたイースト・ロサンゼルスの工業地帯の通り、ユニオン・パシフィック・アベニューで完全再現されている。
マイケルが自費で作り上げたという「スリラー」は米国議会図書館の国立フィルム登録簿に登録された、最初で唯一のMVという文化的価値のあるもの。劇中では、ガールフレンド役を監督の実娘エイジア・フークワが演じている。

何より、マイケルの人生の分岐点として終盤に畳みかけてくる圧巻のステージシーンは、IMAXやドルビーサウンドなど最新映画技術が結集した、大スクリーンのハイクオリティな映像&音響で体感してほしいもの! 新たにマイケルに出会うことになるファンも、長年のファンも「伝説とは、このことか…」と打ちのめされるに違いない。
生き写しのようなジャファー演じるマイケルの歌とパフォーマンスのエネルギーを、実際のライブ会場に入り込み“その場にいるかのように体感”できる本作もまた、単なる音楽伝記映画の枠を超えていく。

実際に発声可能上映などが行われている海外では、映画館が観客総立ちのライブ会場に様変わり。マイケルの“ライトスティック”がグッズとして展開されている韓国では、色とりどりの光が揺れる中で踊り始める観客もいて、本物のライブのような盛り上がりだ。
音楽を通じて、人々をひとつにする。マイケルのようなアーティストは、もう二度と現れることはないだろう。
誰にも真似できない唯一無二の存在だった、マイケル・ジャクソン。その魂とDNAを受け継いだジャファー・ジャクソン、そして才能豊かなジュリアーノ・ヴァルディがスクリーンでかけた“魔法”に、ぜひ酔いしれてみてほしい。
『Michael/マイケル』公式サイト
『Michael/マイケル』は6月12日(金)より全国にて公開。6月5日(金)~7日(日)の3日間限定でIMAX先行上映。
(R), TM & (C) 2026 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

