2004年冬、北京。ネットで知り合った大連の友人を出迎えに来た何(カ)は、予想外の人物の登場に驚く。そこに現れたのは、日本人女性・しこ。何を頼って、京劇院で京劇を学ぶために日本からやって来たのである。しかし、日本人に京劇を学ばせるなど言語道断、さらに同じ屋根の下で暮らすわけにもいかず、途方に暮れる何。時を同じくして、彼の元に息子の鳴(ミン)が再び役者を目指して8年ぶりに戻ってきた。最初のうちは、しこを遠ざける鳴だったが、やがて京劇を通じて2人の距離は近づいていく。しかしそんな彼らに、親・祖父たちが忘れ得ない、暗く辛い過去が重くのしかかる…。
スン・ティエ