国籍を得るため、ベルギーへやって来たアルバニア人のロルナ(アルタ・ドブローシ)。彼女は、この地で働き、生きていくためにクローディ(ジェレミー・レニエ)と結婚し、パスポートを手に入れようとしている。クローディは麻薬中毒に苦しみながらも、ロルナを希望の光に立ち直ろうとしていた。そんな彼を見ているうちに、ロルナは次第に彼を受け入れていく。ある夜、想いが通じて2人は結ばれる。ロルナは、クローディ、そして2人の間に生まれたばかりの愛を守ろうとするのだが――。第58回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した『ある子供』に続き、ダルデンヌ監督とジェレミー・レニエがタッグを組んだ一作。
ジャン=ピエール・ダルデンヌ
リュック・ダルデンヌ
偽装結婚、マフィア、ドラッグ。『ロルナの祈り』が扱うのは、ハリウッドならサスペンス・アクションの大作に仕立て上げそうな題材だ。そこから、こんなにも静かで、同時に観る者の心をわし掴みにする作品を生み出したのはジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟。示し合わせたわけでもないそうだが、質問には必ず兄弟が交互に答える。まず弟のリュックが口火を切った。
ベルギーの巨匠、ジャン=ピエールとリュックのダルデンヌ兄弟が新作を発表するたびに、いつも驚かされます。『イゴールの約束』、『ロゼッタ』、『息子のまなざし』、『ある子供』を始めとする作品が、世界的映画祭で大絶賛を受けてきた彼ら。常に社会的な弱者たちに焦点をあて、現代を鋭く、そして優しく見つめてきました。待望の新作『ロルナの祈り』では、ベルギーでの幸せな生活を求めてアルバニアからやってきた一人の女性・ロルナの視点を通して、ベルギーの移民問題を扱いつつ、人間がもつ深い愛情の在りかを照らし出します。