殉職した宇宙飛行士、高原耕平(及川光博)は合法的クローンとして蘇る。だが記憶障害を起こした彼は、幼い頃の記憶を強く反映した行動を取り始める。実は耕平には、子供の頃に自分を助けようとして川で溺れ死んだ双子の弟がいた…。自らの死体を発見したクローンの耕平は、それを弟と錯覚し、繰り返される悲劇に困惑する。そして、その死体を背負い、母親の元へ届けるため、かつて暮していた美しき故郷を求めて歩き出す――。クローン再生された男の魂の旅路を通して、生と死を見つめた物語。2006年サンダンス映画祭、NHK国際映像作家賞にて脚本賞を受賞した、中嶋莞爾監督のオリジナル脚本を映画化。エグゼクティブ・プロデューサーをヴィム・ヴェンダースが務める。
中嶋莞爾
「みなさんの大好きなミッチーは、この映画のどこにも存在しません——」。そんな言葉で、“ミッチー”こと及川光博は、初主演映画『クローンは故郷をめざす』における自身の役柄を表現した。及川さんが演じたのは“3人の”高原耕平。宇宙飛行士として殉職した本来の耕平と、誤って少年時代の記憶のままで蘇ったクローンの耕平、そして完全な成功例として再度蘇った耕平と、3パターンの同一人物を演じ分けた。これまで、あまたの個性的な役を演じてきた及川さんをして「過去最高に疲れた作品(笑)」と言わしめた本作について話を聞いた。果たして冒頭の言葉の真意はどこにあるのか?
人間のクローン技術が完成されつつある近未来の世界を舞台に、日本の死生観を深く見つめる『クローンは故郷をめざす』。2006年度のサンダンス・NHK国際映像作家賞を受賞し、ヴィム・ヴェンダースが自らエグゼクティブ・プロデューサーを務めるなど、世界でも高い評価を受けた本作が1月10日(土)に公開を迎えた。上映後の舞台挨拶に監督の中嶋莞爾、主演のミッチーこと及川光博、嶋田久作が登壇した。