生来の博打好きで江戸を追われた半太郎(中村勘三郎)は、身投げした酌婦のお仲(坂東玉三郎)を救う。不幸続きの人生を送ってきたお仲は、自分を助けてくれた半太郎の優しさに胸を打たれた。やがて、2人は夫婦になるが半太郎は博打を止められずにいた。そして、不治の病を患ったお仲は半太郎の将来を心配し、博打をやめてほしいとの願いを込めて、彼の二の腕に“さいころ”の刺青を彫る。博打を断った半太郎だったが、この世の名残りにお仲に良い思いをさせたいと、最後の博打に出かける。そこで、半太郎はお仲のために命を懸けた大勝負に挑む――。『シネマ歌舞伎』シリーズ第10作目。
寺崎裕則