万葉集で多く詠われる、奈良県飛鳥地方。ここには「待つ」ことの中で、その命をまっとうした人々がいた。古代より神が宿るとされている畝傍山、耳成山、香具山の“大和三山”は、時が過ぎた現代も変わらぬ姿でいる。拓未(こみずとうた)と加夜子(大島葉子)は祖父母の時代に果たせなかった想いを受け継ぐようにいまを生きている。それはこの地に降り積もった名もなき無数の魂を代弁するかのように――。第64回カンヌ映画祭のコンペティション部門に正式出品が決定した河瀬直美監督の最新作。
河瀬直美
いよいよ今週末に閉幕となる第64回カンヌ国際映画祭。「コンペディション」部門には河瀬直美監督の『朱花の月』、三池崇史監督の『一命』、「監督週間」には園子温監督の『恋の罪』がエントリーし、日本映画への注目度も高く、各賞のゆくえも気になるところだ。
市川海老蔵が主演する『一命』の共演陣が新たに発表され、瑛太、役所広司、満島ひかりが出演していることが明らかになった。本作は、第64回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されることも決定! 今年のカンヌのコンペには、河瀬直美監督の『朱花(はねづ)の月』も出品されることになっているほか、アメリカからは最大の注目作としてブラッド・ピット&ショーン・ペン共演の『ツリー・オブ・ライフ』も参加することに。例年にも増して大きな盛り上がりを見せそうだ。