時は2002年秋。北朝鮮による拉致事件で反朝鮮感情が蔓延していた日本で、ある少女と少年が出会う。少女は、日本人チンピラに姉を虐殺された過去を持つ孤独で勝ち気な在日朝鮮人。少年は、その殺害現場で見て見ぬ振りをしてしまった気弱な日本人高校生。2人は、怒りと屈辱にまみれながら、悲しくもパンクな旅に出る。やがて彼らは“テロリスト”と呼ばれるように――。なぜ彼らは、そこまで世界を憎んでしまったのか。その彼らの悲しみの行方とは…。
片嶋一貴