戦後空前の盛り上がりを見せた民衆運動が低迷し始めた頃、見沢は反体制に目覚めた。英才教育を受けていた見沢だったが、早稲田高等部在学中、演壇で教育批判をして破壊行為を行い、退学。暴走族、新左翼とひた走り、翌年新右翼へと身を転がし、ゲリラ活動を指揮。だが仲間を殺害し、懲役12年を言い渡される。獄中で書いた小説「天皇ごっこ」が新日本文学賞を受賞。出所後、獄中手配「囚人狂時代」がベストセラーになるもの、見沢が選んだ道は…。日本という国家の中で彷徨い続けた見沢が探し求めていたものとは何だったのか――。見沢知廉の痕跡を辿るドキュメンタリー。
大浦信行