1810年9月27日、圧倒的に不利な地形をものともせず、フランス軍第二大隊の兵士たちは激戦の末、ポルトガル・ブサコの斜面を這い上がり、アルコバ山頂に達した。しかし、やっとの思いで尾根に出たフランス兵たちの目に飛び込んできたのは、準備万端で待ち構えるイギリス軍の姿だった。ウェリントンの戦略により、イギリス軍は見事、フランス軍を追い払うことに成功した。だが、勝利をおさめたにもかかわらず、イギリス軍は、ウェリントンが建設した要塞“トレス線”へ、いまだ数的に圧倒的有利なフランス軍を誘い込むため、南の山地へ戦略的撤退を試みるのだが…。
バレリア・サルミエント