ヨハネスブルグで弁護士として謳歌していた青年時代。最初の結婚と反アパルトヘイト運動への参画。そして結婚の破綻。マンデラはさらに運動にのめり込む一方で、年齢の離れたウィニーと恋に落ち再婚。政府の政策がさらに強硬化するなかで、マンデラは武装闘争を選択し、テロに走るが1962年に逮捕。1964年に国家反逆罪で終身刑の判決を受け、27年間、収監されることになる。しかし、激化する武装闘争に対して違和感を抱いていた彼は収監の間に思索を深め、南アフリカの未来のためには憎しみを捨て、共存と愛を説く必要性に思い至る。だが、彼の思いは、外の世界で迫害され憎しみに凝り固まった最愛の妻には伝わらなかった――。
ジャスティン・チャドウィック