ソウルから京都にきたリン、沖縄から京都にきたそら、ふたりは大学で出会い、映画をつくる道を志した。ふたりはおもしろいことをするのが好きだった。そして、おもしろいことを撮影して笑い合うのが好きだった。ジャムサンドを空に飛ばしたい、フィルムカメラを万引きしてみたい、沖縄でそらのルーツを辿りたい…。リンとそらは様々な欲求を映画制作という名目で昇華していく。ふたりにとって映画は魔法の杖のようなもの。ありとあらゆる形にジャンルを変身させて、そこに身を置き、自らが映画を謳歌する存在となって、確かにフィルムに焼き付ける。ふたりはとにかく欲張りに相手を知りたいと願い、しかし妥協は許さずアイデンティティが永遠に不確定のまま遅延し続けることを受け入れて、最高に楽しい対話を実践する―。
シン・チェリン