時は戦国。織田信長は諸国を次々と滅ぼし、天下統一に向けひた走っていた。しかし、ただ一国だけ手出しすることを禁じた国があった。あの魔王・信長が最も恐れた族ども。伊賀・忍び軍団――。彼らは己の超人的能力を駆使し、戦場では金のためだけに人を殺める戦闘兵器。人を人とも思わぬ人でなし。虎狼ころうの族やからと呼ばれていた。そんな忍びの一人、無門(大野智)は伊賀一の腕を誇るも無類の怠け者。女房のお国(石原さとみ)に稼ぎのなさを詰め寄られる日々を過ごしていた。天正七年九月、信長の次男・織田信雄(知念侑李)は、父の命に背き、伊賀に攻め込む決意をした。かつての主君を裏切り信雄の家臣になった日置大膳(伊勢谷友介)、無門に弟を殺され伊賀への復讐を誓う忍びの下山平兵衛(鈴木亮平)。対する伊賀十二評定の重鎮・百地三太夫(立川談春)と下山甲斐(でんでん)、そして忍びたち…。様々な人間たちの思惑が入り乱れ、知略謀略が張り巡らされた末、織田軍と伊賀忍び軍団は、壮絶な大合戦に突き進んでいく…。
中村義洋