一流企業のエリート街道を歩んでいた田代壮介は、同期のライバルに負けたことで出世コースから外れ、子会社に出向させられてしまう。そのまま銀行に戻ることなく、ついに定年の日を迎えてしまった。仕事一筋だった壮介は、翌日から時間を持て余してしまう。このままではマズイと職探しを始めるも、高学歴・高職歴が邪魔をして思うように仕事が見つからない。しまいには、千草や娘・道子から「恋でもしたら?」とからかわれる始末。ある日、大学院で文学を学ぼうと思い立った壮介は、勉強の為に訪れたカルチャースクールの受付嬢・浜田久里に想いを寄せるようになる。さらに、通い始めたスポーツジムで知り合った新興IT会社ゴールドツリー社長・鈴木直人から会社の顧問になって欲しいと頼まれ、壮介の人生が大きく変わろうとしていた――。
中田秀夫