幼なじみである新渡戸と坂本は、都内のカプセルホテルのフロントで働く従業員。 新渡戸は節足動物と哲学が好きで、坂本は自殺ばかりしている。カプセルホテルにはいろんな客がやって来る。子どもを亡くしたフィンランド人の母親。逃亡犯の女。ミジンコを研究する学生。しかし、それぞれの人生が交差する事は決してない。まるで整然と並べられたカプセルホテルの様に。淡々と流れる時のなかで。節足動物をモチーフとして、生と死と性をテーマにした、さまざまな人生の断片が展開されていく。
平林勇