2018 年 4 月、とある市民平和法廷がソウルで開かれた。法廷に立つ 1 人のベトナム人女性、グエン・ティ・タン。彼女は、<フォンニィ・フォンニャットの虐殺>の生存者である。8 歳の時に韓国軍に家族を殺され孤児となった彼女は、その記憶を思い出して、涙を浮かべる。あの日、一体何が起こったのか…。あの日の出来事を目撃したディン・コムは身振り手振りを交えて当時を再現する。あの日の後遺症で視力を失ったグエン・ラップはこれまで語ることのなかった記憶を絞り出すように語る。一方で、“参戦勇士”と称された韓国軍人たちは、「我々は、良民は殺していない」と主張する。イギル・ボラ監督が、全員女性の制作陣とともに「ベトナム民間人虐殺」の記憶について当事者たちの生々しい証言の数々を記録した傑作ドキュメンタリーが誕生した。
イギル・ボラ