南フランスの港町マルセイユ。若者ボニはピザ屋で働きながら、どこにも属さない日々を送っている。ある日、長く離れていた妹ネネットが突然現れ、彼の部屋に転がり込む。行き場を失ったネネットは、ある秘密を抱えていた。彼女は妊娠していたのだ。しかしその事実をボニに打ち明けることはない。ぎこちない同居生活のなかで、二人は互いに踏み込めない距離を保ったまま時間を過ごしていく。ボニはパン屋の女性に心を寄せるが、その想いを現実に結びつけることができない。ネネットは自らの身体と向き合い、未来を選び取ろうとする。残酷な世界のなかで、欲望と優しさは静かに関係を変えていく。
クレール・ドゥニ