結婚式から7日後。仕事の引継ぎのため、以前の勤務地である金沢に戻った夫・鵜原憲一は、そのまま帰ってこなかった。憲一の足跡をたどって北陸・金沢へと旅立った禎子は、憲一のかつての得意先・室田耐火煉瓦会社で、社長夫人の室田佐知子と受付嬢の田沼久子という、ふたりの女に出会った。一方、憲一の失踪と時を同じくして連続殺人事件が起こる。一連の事件の被害者はすべて、憲一に関わりのある人間だった。夫の失踪の理由、そして連続殺人事件の犯人とその目的とは――。すべての謎が明らかになるとき、衝撃の真相が禎子を待ち受けていた。 松本清張生誕100年記念作品。社会派ミステリーの原点が、スクリーンに甦る。
犬童一心