1999年12月2日、北陸の田舎町でひとりの初老の男が逮捕された。小さな縫製工場を経営していた清水久典(三浦友和)は、結婚して20数年、充実した日々を送っていたが、工場経営が傾き多額の借金を抱えてしまう。妻(石田ゆり子)も癌の手術をしたばかり。金策も失敗し、とうとう妻との無計画の旅をはじめた。なけなしの50万を持って。なかなか職も決まらず生活は苦しくなる一方だったが、お互いの愛はより深まっていった。そんなある日、久典は妻の癌の再発を知ってしまう。そして、衰弱していく妻をみながら久典はある覚悟を決めた…。
塙幸成