時は学生運動全盛期。三島由紀夫は文筆業の傍ら、民族派の若者たちを組織化し、有事の際には自衛隊と共に決起すべぐ試練に励む。しかし、警察権力の前に、自衛隊は出動の機会すら得られない状況が続き、苛立ちを募らせる三島と楯の会の若き隊員たち。そして、遂に決断のときが訪れる…。
若松孝二
今年で22回目を迎える映画賞「日本映画プロフェッショナル大賞」の授賞式が6月15日(土)に新宿テアトルで開催され、「主演女優賞」を受賞した前田敦子、「主演男優賞」の井浦新ら受賞者たちが一堂に会した。
女優の吉永小百合が12月18日(火)、都内のホテルで開かれた「第37回報知映画賞」の表彰式に出席。『北のカナリアたち』での熱演が評価された吉永さんは、28年ぶりに同主演女優賞を獲得したが「みなさんから良い作品だという声をたくさんいただき、手応えもあった。もしかしたら、作品賞かなと期待していたので、私ひとりでいいのか…という思いがあります」と恐縮した様子。それでも『北のカナリアたち』、『ALWAYS 三丁目の夕日’64』の2作品で助演男優賞を受賞した森山未來、お祝いに駆けつけた共演者の満島ひかり、撮影を手がけた木村大作氏とステージに居並び、『北のカナリアたち』がこの日の“主役”となった。
「なりきる」というのとは違う。「魂をすくい取る」とでも表現すべきだろうか? 井浦新は自らが演じる人物に真摯に向き合い、映画の中を生きる。「政治や思想ではなく、そうやって生きるに至った人物そのものに興味がある」という本人の言葉通り、革命を信じ内ゲバを繰り広げた極左の活動家から自衛隊の決起を呼びかけ割腹自殺を遂げた三島由紀夫、旧日本軍の軍人に怨霊伝説で後世にその名を記憶される悲劇の帝まで、イデオロギーや時代を超えて様々な人物を演じてきた。そんな彼が最新作『かぞくのくに』で演じるのは、70年代に家族と別れ北朝鮮に移住し、25年を経て病気療養のために日本に一時帰国をすることになったひとりの“異邦人”。在日コリアン2世であるヤン・ヨンヒ監督自身の体験を基にした本作で井浦さんは何を感じ、伝えようとしたのか?
日本映画が少なかった今年のカンヌだが、「ある視点」部門で、若松孝二監督の『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』が上映され、若松監督と井浦新、満島真之介が喝采を浴びた。