アカデミー賞で9冠に輝いた『イングリッシュ・ペイシェント』や『リプリー』、『コールド マウンテン』などでオスカーの常連だったアンソニー・ミンゲラ監督が18日、ロンドンの病院で死去した。享年54歳。
上質で大人の愛を鋭く描くことに長けたアンソニー・ミンゲラ監督は、これまでにも『イングリッシュ・ペイシェント』、『コールド マウンテン』という哀切で美しいラブストーリーを送り出してきた。今回、彼が『こわれゆく世界の中で』のテーマの中心に据えたのは“破壊”から生まれる“真実の愛”。近代都市に生まれ変わろうと破壊と再生が共存するロンドンの街を舞台に、ひとりの男とふたりの女の人生をリンクさせ、愛とは何かを描いていく。
『イングリッシュ・ペイシェント』のアンソニー・ミンゲラ監督が15年間温めたオリジナル脚本で臨んだ最新作『こわれゆく世界の中で』。1人の男性と2人の対照的な女性の間で揺れ動く“真実の愛”と“偽りの愛”を描いた本作で、『コールド マウンテン』に続くミンゲラ監督とのタッグを組んだ主演のジュード・ロウに本作の見どころを聞いた。
恋人・リヴとその娘と何不自由ない暮らしを送る建築家のウィル。だが、愛し合いながらも2人はある事情から入籍はせず、微妙な距離を保ったまま生活を共にしている。ある日ウィルは、オフィスでの盗難事件をきっかけに、夫を亡くし息子と2人で貧民街で暮らす女性・アミラと知り合い、心を奪われる。正体を隠してアミラのもとに足を運ぶウィル。やがて2人は結ばれるが、運命は残酷すぎる真実を2人に突きつける…。