マドンナのワンダーな才能vol.1:辛酸なめ子 学べよ、マドンナの処世術

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『ワンダーラスト』 -(C) 2007 Semtex films
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ポップスター、セックスシンボル、オピニオンリーダー。デビュー当初から世間を騒がせ、世界中でカリスマ的人気を誇るミュージック界の女王、あのマドンナが映画を撮った! 彼女が初めて映画監督に挑んだ『ワンダーラスト』。マドンナの監督としての才能をどう見るか? 人気女性コラムニスト3人による特別連載をお届けします(全3回)。

17歳の時、35ドルだけ持ってN.Y.に出てきてから三十余年、歌手として大成功をおさめたマドンナはいまや全英シングルチャートNo.1獲得数一位、総資産500億円とも言われる歴史的なPOPスターになりました。そんな彼女の成功哲学が学べる映画が『ワンダーラスト』です。「映画の中で描かれているのは、アーティストになるための茨の道と葛藤」とマドンナもインタビュー(マリ・クレール誌)で語っていますが、主人公は、バレエダンサーとしてうだつの上がらないホリー、孤児を救う夢を持ちながら何をして良いかわからないジュリエット、ミュージシャンとしてなかなか日の目を見られないAKの3人で、夢を掴む前のマドンナの分身のような存在です。映画は、五十歳になっても衰えないマドンナのセンスが発揮され、1秒もヌルいシーンがなく、刺激的で最後まで目が釘付けでした。SMシーンの罵倒のセンス(「糊工場で働かせるぞ!」、「この細チン野郎!」etc…)も最高です。楽しみながらも、マドンナ直伝の処世術が身に付いてしまうのも実用的で素晴しいです。例えば「汚い仕事を早く受け入れた方が成功できる」というセリフは、お金のためにヌードモデルをやったり、有力者と肉体交渉してステップアップしていたという昔の彼女を思い起こさせます。成功したら、ジュリエットのように慈善活動で徳を積むことで、さらにパワーアップし、一般人の嫉妬の念から身を守ることができます。

そして気を付けなければならないのは、ドラッグの誘惑です。ミュージシャンのAKは一見ジャンキー風のルックスですが、彼がドラッグを摂取するシーンは意外にもなく、代わりにバスタブの中でタバコを吸って思索に耽る姿が度々出てきました。これはマドンナからの、成功したかったら薬物は「ダメ。ゼッタイ」というメッセージかもしれません。非合法なものに頼るくらいなら、音楽でトリップした方がいいし、実際素晴しい音楽ではそれが可能だということが、AKのパフォーマンスとそれに熱狂する人々の姿に表れていました。

しかし、こうして成功を手に入れても、マドンナを見ていると結婚と仕事の両立は難しいようです。とくに一家にセレブが二人いるとうまく行かない傾向に…。プリトニー・スピアーズに「二度と結婚なんかしちゃダメよ。私たちのような女性には結婚は向いてないんだから」とアドバイスしたというマドンナ。彼女の次回作に、成功したその後の処世術(もしくはおひとり様の老後的な…)が描かれるのを期待したいです。



【columnist profile】辛酸なめ子
漫画家、コラムニスト。1974年、千代田区生まれ、埼玉育ち。武蔵野美術大学短期大学部卒業。近著は「女の人生すごろく」(マガジンハウス)、「アイドル食虫花」(コアマガジン)、「お悩みカテドラル」(ポプラ文庫)など。ブログ「辛酸なめ子の女一人マンション」更新中。


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《text:Nameko Shinsan》

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