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『ミュンヘン』エリック・バナ来日記者会見

1972年、ミュンヘン五輪で起きたテロ事件をテーマに、暴力の連鎖が生む悲劇と、誰の心にも宿る郷愁を描いた社会派映画『ミュンヘン』。監督のスティーブン・スピルバーグ自身が「自分のために作った作品」と呼ぶ本作で、主役を務めたエリック・バナが、1月20日、都内のホテルで行われた記者会見に出席した。

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1972年、ミュンヘン五輪で起きたテロ事件をテーマに、暴力の連鎖が生む悲劇と、誰の心にも宿る郷愁を描いた社会派映画『ミュンヘン』。監督のスティーブン・スピルバーグ自身が「自分のために作った作品」と呼ぶ本作で、主役を務めたエリック・バナが、1月20日、都内のホテルで行われた記者会見に出席した。

『トロイ』のPRのため昨年5月に来日にして以来の日本だというバナは、「再び来日できて嬉しい」と笑顔。本作については一切PR活動をしないと公言しているスピルバーグ監督にかわり、世界が注目する作品について大いに語ってくれた。

五輪で実際に起きたパレスチナゲリラによるイスラエル選手団殺害事件を題材にした物語で、バナはテロリストへの報復を行うチームのリーダー、アヴナーを演じている。3年前にオファーを受けたという彼は、事件について、世界情勢についてさまざまことをリサーチした上で役に挑んだのだという。「この役を演じた後では、いつものニュースも違って聞こえる。今回は中東の情勢についてリサーチを行ったから、作品を通じて知識も興味も以前よりはるかに高まった」と話す。役作りについては、長い準備期間を使って、監督とじっくり話し合ったのだとか。「ただし、ディスカッションを重ねた後は、俳優にすべてを任せる監督です。俳優の直感を信じ、尊重してくれる。さまざまな場面で俳優のアイディアを取り入れてくれました。彼は天才ですが、人間的にも素晴らしい人ですよ」

スピルバーグの撮影方法についてはこんな感想も話してくれた。「監督の中には、リハーサルを重ね、すべてをコントロールしないと気がすまない人もいますが、彼はそうではありません。彼はカメラの前で起きる一瞬を大切にしています。その瞬間が二度と訪れないことも。ですから、カメラを回してその場で何かが起こることを子供のように期待する。それが彼のやり方なのです」

娯楽大作のみならず、骨太な社会派作品でも評価が高いスピルバーグ。『シンドラーのリスト』『プライベート・ライアン』に続き、アカデミー賞受賞なるか、賞レースの行方にも注目が集まっている。そもそも、監督が持っていた作品コンセプトは、娯楽性の高いスリラーだったのだという。「彼はそこに、報復の連鎖、故郷への想い、家族愛、暗殺によって喪失する純粋さ、そうしたものを加えて描こうとしたのです」。なかでも、物語の中核を成す暴力の連鎖と、明確なコントラストを作り出しているのが家族愛だ。「家族は私にとって最も大切なもの。アブナーに、出産間近の妻がいたことで、自分とキャラクターとの結びつきは強まりました。この作品では、“HOME”=故郷、家庭も大きなテーマになっています。誰にでも、“HOME”を求める権利はあるのだというメッセージも込められているのです」。

そう話すバナの故郷はオーストラリア。そこで、今年6月に開催されるサッカーW杯のドイツ大会では一次リーグで日本と同じF組に入ったことについて質問が及ぶと「オーストラリアの参加が決定したとき、国中が大喜びでした。でも、実は父親の故郷はクロアチア。どちらも応援したい」とにっこり笑った。

コメディアンからスタートし、TV俳優、そして世界的なハリウッド・スターへと着実に歩みを進めているエリック・バナ。今回の演技で、さらに評価が高まるのは必至。シリアスな役はもちろんだが、思い切りコミカルな役にもぜひ期待したい。
《シネマカフェ編集部》
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