原作を裏切らない映画化!『鉄コン筋クリート』レビュー
原作漫画を読んだことのない人は今まで体験したことのない世界観を味わえ、アニメとしてもエンターテイメントとしても楽しめるだろう。問題なのは熱烈な松本大洋ファンからどんな評価を受けるのか。『青い春』、『ピンポン』が実写化された時も大きな反響を呼んだが、伝説的漫画と賞される『鉄コン筋クリート』だけにどうジャッジされるのかが楽しみでもあるのだ。
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原作と映画の比較は劇場で確かめてもらうとして、この映像化の何が一番すごいかと言うと、主人公クロとシロを二宮和也と蒼井優、ヤクザを伊勢谷友介、蛇を本木雅弘…と主役を張れるメンツが勢揃いしていること。しかも俳優自身の色がいい意味で消されていることで、“鉄コン”の世界観を忠実にまたリアルに描くことができている。誰が声を演じているのかを知っていてもその俳優のイメージが映画を邪魔していない。これには驚く。
義理と人情とヤクザの“地獄”の町〈宝町〉で生きる2人の少年の愛と友情と変化──松本大洋だけが描けるこの世界は、世間のしがらみを忘れ大人が一瞬無防備になれる場所であり、だからこそ世界観を壊されることを嫌う。「原作を裏切らない映画化」、そう言い切れることは本当にすごいことなのだ。