台湾出身のシンガーで、中華圏のみならず日本でも絶大な人気を誇るジェイ・チョウ。チャン・イーモウ監督作品の『王妃の紋章』では中国を代表する俳優、チョウ・ユンファ、コン・リーと共演し、自身でも監督・主演を果たし本国で大ヒットした『言えない秘密』など、映画界への進出も目覚ましい彼が、バスケットボールとカンフーが融合したアクションコメディ『カンフー・ダンク!』に主演。華麗なカンフー・アクションと迫力あるバスケット・プレイを披露したジェイに話を聞いた。本作への出演を決めた理由を「ユーモラスたっぷりのカンフー映画だったから」と話す。「ストーリーの展開がシンプルで分かりやすい。まさに夏休みに持ってこいの映画なんですよね。なんと言っても飛ぶシーンが面白いんです。やっぱり男の子だったら誰でもあんな風にダンクを決めてみたいと思うんじゃないでしょうか? プライベートではなかなか出来ないことだから、僕自身もたっぷり楽しみました」。確かに豪快にダンクを決めるシーンは男の子でなくとも、スカッとして気持ち良い。ジェイ自身、バスケが大好きだと笑う。「でも、この映画のために改めて訓練するということはありませんでした。出演者は全員友人で、みんなバスケが出来るんです。だからみんなで、どういう技をどんな風に見せたらカッコイイのか、アイディアを出し合いました。僕らキャストの方がアクション監督よりバスケには詳しかったんです(笑)。日本の『スラムダンク』も読んだことがありますし、バスケをテーマにしている映画はほとんど観ました。映画の中での僕の役は中国のNBA選手の姚明(ヤオ・ミン)選手に似ているかもしれません。姚明選手はまだこの映画を観てないかもしれませんけど、バスケのシーンはNBAよりスゴイですよ(笑)」。バスケ同様にカンフー好きでも有名なジェイ。本作ではカンフー・アクションでも観客を楽しませてくれる。「実は、この映画のアクション監督のチン・シウトンは『王妃の紋章』でもご一緒したんです。そのときにカンフーの基本の部分を教わっていて、それを再び練習したので、それほど時間はかかりませんでした」。歌手、俳優、そして監督業とあらゆるジャンルに進出しているジェイ。「常に高い目標を掲げたい」という彼の次なる目標は?「また自分が監督し、出演する映画をもう一回撮りたいですね。もし監督をやるなら自分のストーリーがいいですね。何を描きたいか、自分の感覚というものを持たなければならないと思うんです。ほかの人の物語を映画化するのは、その感覚が自分のものではないから。『言えない秘密』を撮ったときにもいろんな物語を考えていたんです。映画の中に入れることができなかった部分は、時々MTVで撮ったりもしています。いまももちろんいろいろ考えていて、次は奇術、マジックに関係のある話、あるいは僕の大好きなカンフー、どちらかにしようかなと思っています」。