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『王妃の紋章』でチャン・イーモウ監督が描いた絢爛豪華な宮廷に潜む人間の心の闇

中国史上最も華やかな唐王朝を舞台に、絢爛豪華な宮廷で策謀を巡らせる家族を描いた『王妃の紋章』。国民に対してだけではなく家族に対しても絶対的な権力を振りかざす国王と、美しく気品にあふれた王妃、そして3人の息子。それぞれが秘密を持ち、互いに殺意を抱き合い、そしてこわれてゆく様が、そのどす黒さとは対照的に美しい黄金の色彩の中で展開する本作を監督したチャン・イーモウに話を聞いた。

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『王妃の紋章』チャン・イーモウ監督
『王妃の紋章』チャン・イーモウ監督
  • 『王妃の紋章』チャン・イーモウ監督
  • 『王妃の紋章』 (C)- Film Partner International Inc.
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中国史上最も華やかな唐王朝を舞台に、絢爛豪華な宮廷で策謀を巡らせる家族を描いた『王妃の紋章』。国民に対してだけではなく家族に対しても絶対的な権力を振りかざす国王と、美しく気品にあふれた王妃、そして3人の息子。それぞれが秘密を持ち、互いに殺意を抱き合い、そしてこわれてゆく様が、そのどす黒さとは対照的に美しい黄金の色彩の中で展開する本作を監督したチャン・イーモウに話を聞いた。

『HERO』『初恋のきた道』など、これまでにも美しい色彩や美術にこだわって映画を撮り続けてきた監督。本作ではそうしたこだわりが特に強く感じられる。
「今回は豪華絢爛な美術を見せていますが、その中に潜むブラックなストーリーとの落差を計算しました。男性中心の封建社会に対する女性の反抗を描くには、どうしてもこうした“金”という色が必要だったんです。一般的に言っても、美術と物語という組み合わせにはかなりのこだわりを持っていますね。例えばTVドラマは楽なんです。50話とか100話とか、ストーリーをゆっくり語れば良い。でも映画は、1時間半から2時間という短い時間の中で、しかも観客は映画館に座ってスクリーンを見続ける。こうした場合には、高度な視覚効果を(映画に)与える必要があるんです。これは私自身のポリシーでもありますが、ドキュメンタリーを除けば、あらゆる映画はやはり美術や視覚効果について、ある程度高いレベルまで持っていかなければならないんです」。

本作は中国ではよく知られている舞台劇が原作となっている。監督は共同脚本としても本作に携わっているが、国王役のチョウ・ユンファ、そして王妃を演じたコン・リーはあて書き(キャスティングを想定して脚本を書く)だ。
「チョウ・ユンファやコン・リーはいまの中国映画界を代表する俳優です。彼らの持つ演技力、そして気品ともに国王や王妃を演じるにふさわしい。そしてジェイ・チョウ。彼が演じる第二王子、傑(ジェ)王子は本作で唯一、明るい未来、そして愛する心を持った人物。真心とか純粋、そういう気質を持つ人に演じてもらいたかった。そこで思いついたのがジェイだったんです。この3人なら素晴らしいゴールデン・トライアングルを作れると思いました」。

傑王子の兄を演じた第一王子、祥(シャン)王子にはリウ・イェ。彼もまた中国映画界を代表する若手俳優の一人。『山の郵便配達』『小さな中国のお針子』『PROMISE-プロミス-』などに出演し、メリル・ストリープ共演の『Dark Matter』(原題)の公開も控えている。ほかにも第三王子役のチン・ジュンジエ、祥王子の恋人を演じたリー・マンなど、若手俳優も多く出演している。
「特にリウ・イェは中国の若手俳優の中では割と目立っている俳優の一人ですよね。知名度もあるし、演技も素晴らしい。チン・ジュンジエはまだ高校1年生で、撮影のときは中学生だったと思います。あと、リー・マンもいま大学生で、撮影のときは17歳でした。この2人は新人です。とにかくピュアな顔、でもどこか貴族的な気品を感じさせるものもほしいと思ってキャスティングしました。これによって、年配、壮年、青年と三代に渡る役者の構成が出来たんです」。

きらびやかな画と、その中にある人間の心の闇が対照的で印象に残る本作。監督が描きたかったのはズバリ「一人の女性の悲劇」。
「別の言葉で言えば、古代中国の封建社会に対するある女性の反抗、もしくは控訴。これが『王妃の紋章』のテーマです」。
《シネマカフェ編集部》

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