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竹内結子「阿部さんが運び込まれて来た瞬間に『戻ってきたんだな』って感じました」

血を見るのが苦手な心療内科医・田口と破天荒な切れ者の厚生官僚・白鳥のコンビが復活! 大ヒット医療ミステリーを映画化した『チーム・バチスタの栄光』から1年、「バチスタ」に続く“田口・白鳥”シリーズの中でも最高傑作との呼び声の高い「ジェネラル・ルージュの凱旋」が映画化され、3月7日(土)に公開を迎える。救命センター長で“ジェネラル(将軍)”の異名を取る速水と医療メーカーの癒着、そして担当営業マンの謎の死を追う中で、救急医療現場の過酷な実情が描き出されていく本作。前作に続いて田口に扮する竹内さんに話を聞いた。

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『ジェネラル・ルージュの凱旋』 竹内結子 photo:HIRAROCK
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血を見るのが苦手な心療内科医・田口と破天荒な切れ者の厚生官僚・白鳥のコンビが復活! 大ヒット医療ミステリーを映画化した『チーム・バチスタの栄光』から1年、「バチスタ」に続く“田口・白鳥”シリーズの中でも最高傑作との呼び声の高い「ジェネラル・ルージュの凱旋」が映画化され、3月7日(土)に公開を迎える。救命センター長で“ジェネラル(将軍)”の異名を取る速水と医療メーカーの癒着、そして担当営業マンの謎の死を追う中で、救急医療現場の過酷な実情が描き出されていく本作。前作に続いて田口に扮する竹内さんに話を聞いた。

「白鳥と話しながら、田口が強くなっていることを感じました」

竹内さんにとって、続編で再び同じ役を演じるのは今回が初めての経験。「新鮮な気持ちでしたし、一方で前作を超えられるのか? という不安もほんのりありました」と語るが、撮影現場で竹内さんに“またこの作品に戻ってきた!”と感じさせたのは、やはり“あの男”だったよう…。
「クランクインして2週間くらい経った頃に、阿部さん(白鳥)が現場に入られたんです。骨折して病院に運び込まれてくるシーンで、『来たー!』って感じでした(笑)。そのときに改めて、『戻ってきたんだ、また始まるんだな』って。でも、白鳥さんと一言二言、言葉を交わすうちに『あぁ、そうだった、この人ってこういう風だもんね。もうしょうがないよね…』って白鳥さんに対する免疫、抵抗力がついているのには自分でもびっくりしましたね。実は阿部さんも田口が強くなっているのを感じたみたいで、『じゃあ、もっとやってやる!』って思って下さったそうです(笑)」。

竹内さん曰く、「みんなにちょっといじめられつつ、それを受け入れているのが田口の強さ」とのこと。
「みんなが油断してポロリと本音を話してしまうというのは白鳥さんには出来ないことですよね。逆に白鳥さんは、相手の神経を逆撫でしてイラっとさせて、いらんことを喋らせてしまう。互いに持っていないアプローチの方法で核心に近づいていく、という意味でやっぱりコンビなんだなって思います。とはいえ嫌ですよ! 阿部さんは相当気持ち良かったみたいですけどね。私は毎日ストレスがたまる一方で、みんなひどいよ! って思いました(笑)」。

救命の現場の現実、“しょうがない”では割り切れない思い

田口の成長は白鳥に対してだけではない。救命救急の現状を知る中で、田口の意識が少しずつ変化していくのがスクリーンを通じて伝わってくる。原作では速水のセリフである「マスコミのヘリは飛ぶのに、何でドクターヘリは飛ばないんだ!」という叫びが、映画では田口の口から発せられており、田口の変化を表す象徴的なシーンと言える。
「今回は、より田口の人間っぽさが出ているというか…監督からは『どんどん速水に肩入れしていいから』と言われました。物語が進む中で、速水に対して『この人はただの悪人とは違う』という考え、彼を守りたいという意識が芽生えてくる。 流されてばかりだった田口が、きちんと自分の主張を伝えようとする意思を持ったというのは前回との違いであり、強くなった部分ですね」。

さらに、救命のシーンで行われるトリアージ(災害医療の現場において患者の重症度に応じて4色のタグをつけ、治療の優先順位をつける行為)で、黒のタグ、すなわち“救命不可能”と判断された患者の妻を田口が抱きしめる場面は、観る者の心を打たずにはいられない。
「言葉にすると残酷ですが、黒と判断されたということは、その状況下では、なすすべがないということ。でも、もし自分が患者の家族の立場だったら、間違いなくあの奥さんと同じように『何でうちの人を助けてくれないの?』って言うと思います。“しょうがない”なんて言葉で割り切れないし…掛ける言葉が見つかりません。抱きしめるしか出来なかった…。命に順番を付けられる側の心、それを背負う医師の心…と複雑な思いでした」。

救命センターの“ジェネラル”速水を演じたのは堺雅人。劇中では敵の多い速水だが、撮影現場での堺さんの印象はと言うと…。
「敵のいなさそうな感じですね(笑)。のほほんとしていて、みんなから『好々爺みたい』って言われる穏やかさでしたよ。お茶飲むのが似合いますね。一方で、会議室での倫理委員会のシーンでは、撮影の3日間、ずっと高い集中力を維持してらしてすごかったです。現場は、すごく和気あいあいとしてて、ここまで楽しく撮影に参加できたのは、私にとっては初めてのことでした。みんなでご飯食べに行って(黒崎教授役の)平泉成さんのモノマネしたり、本物の平泉さんに対してみんなが『いやいや、本物はそんな言い方しないよ』って突っ込んだり(笑)。撮影中のあの凄まじい緊張感と、カメラが回っていないところでの和み具合の落差といったらすごかったですよ。これは、みんながどこかで、ジェネラルに対して肩入れする部分があるからなのかもしれませんね。それが『バチスタ』のときとはまた違った形でチームワークに繋がったのかなと思います」。

いまだにどういう言い方が良かったのか考えてしまう“あの”セリフ

ちなみに、竹内さんは原作シリーズを読んではいないそう。これまで、原作がある作品に出演する場合、そのほとんどを手に取ったというが、この作品に関してはあえて読まないことを選んだ。
「読んでしまうと、どうしても原作に引っ張られてしまうところがあるかな、と。特に、田口は原作では男性キャラクターであり、それを女性にしたことで、かなり設定も変更されているようですしね。だから、演じる上ではあくまでも、中村義洋監督が書かれた脚本の中の田口を演じるという気持ちで臨みました。先ほどの田口の『マスコミのヘリは飛ぶのに…』というセリフについても、原作では速水の言葉だったことは、現場で監督から聞かされたんです。聞いて正直、戸惑いました。あのセリフが一番難しかったし、答えを見出せないまま終わってしまった気がします。いまだに、どういう言い方が田口にとって一番ふさわしかったのかって考えてますね」。

「いつか原作を読みたい」という竹内さんだが、昨年には“田口・白鳥”シリーズ最新刊「イノセント・ゲリラの祝祭」が刊行されており、映画もまだまだ続編が作られる可能性も? ゆっくりと原作小説を手に取れる日は、しばらく先になりそうだ。

《photo:Hirarock》

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