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蒼井優インタビュー 言葉にできない“感覚”が彼女を突き動かす!

好んで聴くというチャットモンチーの曲が流れる中、フワリと優しい笑みを浮かべて、軽い足取りで彼女がスタジオに姿を現す。時間はすでに夜に差し掛かっていたが、疲れた様子も見せず…かといってバリバリに元気いっぱいでもなく(というところが何となく彼女らしいのだが)、音楽に合わせるようにカメラを前に軽やかにポーズを変えていく。いま、間違いなく最も多忙な女優のひとり、蒼井優。声での出演も含め、今年だけで5本の映画の公開が予定されているが、そのうち最も早い1月に公開された『おとうと』は、彼女が「憧れていた」という山田洋次監督作品。このたびDVDがリリースされたが、すでに撮影からは、かれこれ1年半ほどが過ぎた。この1年半は長かったのか? 短かったのか? 濃厚であったことは間違いないだろうが…。改めて彼女にふり返ってもらった。

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『おとうと』 蒼井優 photo:Yoshio Kumagai
『おとうと』 蒼井優 photo:Yoshio Kumagai
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  • 『おとうと』 -(C) 2010「おとうと」製作委員会
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好んで聴くというチャットモンチーの曲が流れる中、フワリと優しい笑みを浮かべて、軽い足取りで彼女がスタジオに姿を現す。時間はすでに夜に差し掛かっていたが、疲れた様子も見せず…かといってバリバリに元気いっぱいでもなく(というところが何となく彼女らしいのだが)、音楽に合わせるようにカメラを前に軽やかにポーズを変えていく。いま、間違いなく最も多忙な女優のひとり、蒼井優。声での出演も含め、今年だけで5本の映画の公開が予定されているが、そのうち最も早い1月に公開された『おとうと』は、彼女が「憧れていた」という山田洋次監督作品。このたびDVDがリリースされたが、すでに撮影からは、かれこれ1年半ほどが過ぎた。この1年半は長かったのか? 短かったのか? 濃厚であったことは間違いないだろうが…。改めて彼女にふり返ってもらった。

「良い出会いの連鎖に恵まれました」

『おとうと』の撮影、プロモーションを含むこの1年半を、蒼井さんは「良い出会い」という言葉で表現する。
「山田監督はずっと憧れていた監督で、その方と一緒にお仕事させていただき、それに伴って吉永小百合さんや(笑福亭)鶴瓶さんともお知り合いになれて。加瀬(亮)くんともこれまで共演したことはあってもなかなか喋る機会がなくて、今回、お互いにいろいろと喋るようになりました。そこから始まって、舞台(※『楽屋〜流れ去るものはやがてなつかしき〜』生瀬勝久演出/小泉今日子、村岡希美、渡辺えり共演)もあって。仕事以外の部分でも、例えば、大好きな友達ができて、さらにその友達とも遊ぶようになって…という良い連鎖がたくさんあったなぁ、と思います。年末に仕事でロスに行くことになっていたんですが、空港のお寿司屋さんに入って、カウンター席に通されて、すぐそばにすごく綺麗な人がいるなと思ったら桃井かおりさんだったんです! 私、桃井さんの大ファンで。そうしたら、桃井さんが一緒にいらっしゃった方とちょうど私の話をしてた、ってすごくびっくりされてて(笑)。それから、すごくよくしていただいて、本当に『良い出会いの1年だったなぁ』と」。

信じることで開けた道「課題は…年下の子ですね(笑)」

自らを「言葉にできない“感覚”で動く人間」という蒼井さん。こうした出会いも彼女の自然体のスタイルが呼び込んでいるように見える。
「何でしょうね…決して活字にはならない自分なりの感覚。まぁ、そこまでかっこいいものじゃないんですが(苦笑)、『行く』か『止まる』か決める自分なりの見えない基準、自分なりに通している筋というものが確実にありますね、人付き合いでも仕事でも。ただ、自分が信じようと思える人、いとおしいと思える人との出会いを通して、『行く』っていうサインを出す感覚がすごく緩くなったとは思います。元々、人見知りであまり新しい友達を作ろうとか思わないんですが、信じられる友人の友人なら信じてみようって。ちなみに課題は…年下の子ですね(笑)。いままで先輩方とばかりお仕事させていただいていて、自分が最年少だったのが、年下の子たちがいっぱい出てきて…。一応、先輩って立場になったけど後輩の子たちの方がよっぽどしっかりしてて、私がモジモジしていたりします(苦笑)」。

「企画をいただいて『こういう映画が観たかった!』って思った」

まもなく25歳。山田作品が半世紀にわたって描き出してきた“家族”や古きよき姿の日本の日常は、彼女の目にどのように映るのか? もしかしたら彼女にとっては全く知らない風景なのか? と思いきや…。
「ニュースとか見てて、『暗いニュースが…』ってよく言われてますが、私が子供の頃、家族内での殺人や事件なんてこんなにあったっけ? と思うんです。何なんだろう? って思っていたときにちょうど、この企画をいただいて、『こういう映画を観たかった』って思いました。誰もが持っている家族という縁、本当にやっかいな…切っても切れない絆の物語で『ありがたいな』って思えました」。

ちなみに、鶴瓶さん扮する叔父が結婚式に乱入するシーンでは「見ていて本当に胃が痛くなった」とも。
「普段はあまり、役を引きずることはないんですが、今回はウエディングドレス着て、3〜4人のスタッフさんが手伝ってくださってやっと身動き取れる状態で。しかも、鶴瓶さんがあまりにも自然に叔父さんを演じてるから、本当にそう思えて感情移入しちゃって、自分が休憩中で鶴瓶さんのカットを撮っている時点で胃がシクシクしてきました。鶴瓶さんがおかしければおかしいほど、本当に顔から火が出そうな思いになって、同時に身内としての絆も感じてて、結婚相手が叔父さんを馬鹿にしたような態度を取ると腹が立ってきたり。結婚式というスタート地点にいるのにすでにゴールが目の前にある気分を味わってました」。

2001年の映画デビューから今年で10年目。先ほどの話ではないが、蒼井優を目標とする後進たちも続々と出てきている。蒼井優の今後は?
「分からないですね(笑)。あんまり自分の中で執着がなくて、それが強みかな、とも思うんです。いまやっている作品しかないって気持ちで常にやっているので。元々、東京に遊びに来たいという気持ちでこの世界に入ったけど、実はその感覚っていまも変わってなかったり(笑)。でも、そのスタンスは嫌いじゃないです」。

「仕事している自分と休んでる自分のバランス」

先日より第3部に突入したNHK大河ドラマ「龍馬伝」に登場。2011年もすでに、江口洋介との共演作『洋菓子店コアンドル』などの公開が決まっている。目が回るような忙しい日々であることは想像に難くないが、この忙しさもまた彼女に中で「行ける」というサインが出ているということ?
「ここ数週間はすごくよく働いてます(笑)。でも、ちょこちょこ連休もあったり。自分の中では仕事をしている時間とそうじゃない時間が同じくらいあるといいな、と思ってます。仕事している自分が息を吐き出して、休んでいる自分は息を吸い込んで…それが片方だけに偏っちゃうとダメですね。そのバランスをどうにかうまくやっていきたいと思います」。

最後に、もう一度『おとうと』について尋ねると、自身の“家族”についてこんな話をしてくれた。
「うちの兄は、私が出ている映画をほとんど観ない人なんですが、珍しく映画館に行って、大号泣したそうです。いつかまた、兄が観てくれるような作品に出たいって思いましたね(笑)」。

(Hair&Make:Eri Akamatsu<esper.>/stylist:Junko Okamoto,Kana Iwatani/photo:Yoshio Kumagai)

『おとうと』通常版[DVD]
価格:3,990円(税込)

『おとうと』豪華版2枚組[DVD]
価格:6,090円(税込)

『おとうと』[Blu-ray]
価格:4,935円(税込)

発売・販売元:松竹株式会社 映像商品部
発売中
《シネマカフェ編集部》

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